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菅原「……」
貴方「………」
流れる、居心地の悪い空気
そして
酷く焦った顔の菅原
菅原「な…何言って…」
こんな俺に見抜かれた
会って間もない、こんな人間に
本当の自分を言い当てられた
眉を下げながら言葉を吐くこいつは
まるで小学生
俺は優しい言葉もかけてやれない
丁寧な言葉遣いも出来ない
悪いな菅原
貴方「ウザイんだよ、その張り付いた笑顔」
表情を変えずに放った言葉は菅原の耳に届き
菅原を動揺させる
貴方「お前、本気で笑った事あんの?」
菅原「……」
あともうひと声
そう思って口を開くと
菅原「…えに…お前に何が分かんだよ」
今まで見た事の無い
冷えた、光の宿らない瞳
けれど
口調はいつもの優しいままで
心臓が痛くなった
貴方「分かんないし、知らない。お前の言う通りだよ…」
菅原「だったら」
"俺に構うな"?
"そんなこと言うな"?
お前はどんな言葉を言うつもりだった?
貴方「けどさぁ!」
驚く菅原の姿
口を動かし続ける俺
なんで俺はこんなに声荒らげてんだ
貴方「無理に笑ってても、自分が辛くなるだけだろ…
本当のお前は何処に居んだよ」
なんで俺は
目の前で泣きそうな顔をしているこいつに
貴方「そんなに自分を追い詰めんな」
必死こいて
貴方「お前は自分が思ってるほど悪い奴じゃない」
菅原「…」
慰めてんだ
なぁ菅原
本当のお前を、お前の笑顔を見る為にはどうしたらいい?
やっぱり
−−−駄目なのか
.
.
貴方「春高」
.
.
貴方「春高までにお前の本当の姿…見てやる」
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作者名:塩味 | 作成日時:2016年2月22日 19時