【HQ】不清潔【男主】 (ページ17)

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17. ページ17

時が止まったように

いや

元から時間なんてものは止まっていたんだ

あの時から

菅原｢なんで知ってるの｣

貴方｢っ！｣

菅原｢って顔だな｣

椅子に座りながら話しかけてくる菅原の顔は

悪戯が成功した糞ガキの様な笑顔で

まるであの時のアイツみたいだ

なんて言えばいいのかも

何もかも分からない

自分の思考が停止しているから

すると菅原はおもむろにベットのカーテンを開けて

なにやら頷く

菅原｢まぁそう警戒しないでよ、取って食う訳じゃないんだから｣

貴方｢…何がしたい｣

怒んないでよ怖いなぁ～！

なんて言うこいつの顔は終始

貼り付けられた崩れない笑顔で

なんとも不気味だ

張り詰めた空気の中、流れるように菅原が口を開く

菅原｢鷲見が倒れた日、俺が出てった後に養護教諭と話してただろ？｣

こいつ…まさか盗み聞きしてたのか…？

自然と力の入る眉間

菅原｢あぁ、勘違いしないで、盗み聞きしてたのは俺じゃないから｣

貴方｢…は？｣

耳に届く声、言葉の意味がわからなくて

拍子抜けな声がでる

教えてあげる、そう笑った菅原は

ベットの方向を指差し

菅原｢お前はあの時余裕が無くて周りなんて見えてなかったのか知らないけど、ベットって2つあるでしょ？｣

段々と血の気が引いていく

菅原｢1つは鷲見が使ってたけどもう1つは？｣

貴方｢ま、さか…｣

あの時の自分を殴りたい

というか養護教諭を殴りたい

なんで他の奴が居る時に話してんだよ

あまりの真実にあかぎれた汚い手で髪の毛を掴む

なにかに怖くなって

菅原｢うん、まさかだよ。俺の部活のマネージャーに聞かれてたの｣

あ、安心して、女子だから

そう言われても、なにも安心なんて出来やしない

女だろうが男だろうが聞かれたことには変わりない

周りなんてバレたくなかった

分け合いたくなんてなかった

分け合えるはずもないから

もし、こいつが誰かに言い触らしたりでもすれば

この先相当面倒な事になる

それよりも俺が恥ずかしくてたまらない

菅原｢お前が男性恐怖症で潔癖症だなんて広まったら…1番困るのは誰なんだろうな｣

気持ちの悪い笑顔はこちらを向いて

得意気な空気を放つ

困る奴なんて独りしか居ないだろうが

貴方｢…何がしたいんだよ…お前｣

鼻で蹴散らす様に笑った菅原の姿を

容疑者とするなら

怯えて真っ直ぐ前を見れない俺は

この後殺される被害者だろう