▽すれ違い ページ46
五色君も随分と身長が高いけど、同じ紫色のジャージを着た五色君よりも身長が高い人がいて、
思わず一歩後ずさり。
ナンパ口調なのに真顔だし、しかもちょっと怖い。
五色｢Aさんは風邪をひいてるんです！｣
A｢う、うん｣
鋭い眼差しを向けられ動けずにいた私の前に、五色君が割り込んできて、
すっと体がうごくようになった。
白布「は？」
瀬見「風邪！？大丈夫ですか！？」
A「はい！ちょっと熱があっただけで…」
瀬見「本当すいません、体調悪いのにウチの１年が……」
五色「う…ごめんなさい」
そしてまた、瀬見さんというらしい先輩と五色君が私に頭を下げた。
五色くんに関しては何回私に頭を下げるのだろう。
瀬見さんも後輩が素直で可愛いから怒れないんだろう。
私にはそういった部活の上下関係もないから、少し羨ましく思う。
川西「電話番号交換しといたら？それかLINE」
五色「ぅえ！？」
話を転換したのは私が警戒してた川西さんで。
どうやら私を逃がしてくれないらしい。
以前木葉先輩と出かけた時も似たようなことがあったけど、今回はなかなか厄介そうだ。
A「ごめんなさい。携帯壊れちゃってて…今持ってるの、私のじゃなくて」
川西「マジか。それは残念」
露骨に肩を落とし目線を下げる川西さんのおしりを蹴ったのは、白布さんだった。
蹴られた本人は小さい呻き声を上げている。
白布「お前はいつまでそのスイッチ入れとく気だ」
川西「だってAさん可愛いじゃん」
白布「先輩の前だぞ」
川西「ウィッス」
白布さんに襟を掴まれてずるずると私との距離を離される川西さんを見つつ、｢そろそろ帰らないとな｣と内心思っていた。
何せ今日持ってるこの携帯は、実は衛ちゃんのもの。
何故か私に対して物凄く過保護なので、
「今日は俺の持っていけ。いざとなったらクロの携帯に連絡してきて」と言っていたのに
クロの携帯から連絡がきてる。しかも衛ちゃんの文。
A「それでは、私はこれで御暇させていただきます」
五色「？…ハイ！！」
多分意味が分かってないのか、少し首を傾けつつ彼は返事をした。
A「じゃあね五色君。試合、頑張って！」
五色「もちろんです！」
最後に「ありがとうございました」と言って
また勢いよく頭を下げる五色君を見て笑い、
私は再び帰路についたのだった。
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ひかり - 面白いです！更新、楽しみに、しています！ (2016年12月12日 18時) (
レス) id: a2132d1ad5 (このIDを非表示/違反報告)
まめ - 赤葦かっこいいですね。更新頑張って下さい！ (2016年12月11日 18時) (レス) id: 2831279d89 (このIDを非表示/違反報告)
更音 - 毎回楽しく読ませてもらってます。続き楽しみにしてます。 (2016年11月27日 11時) (レス) id: 8fce01b43a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：優猫 | 作成日時：2016年7月19日 20時
