▽すれ違い ページ31
赤葦side
先生「−であるからして〜−……」
久しぶりに受ける授業は、いつもより退屈な気がした。
先生の声よりも、雨粒が窓ガラスにぶつかる音の方が大きい。
季節は春を過ぎ、梅雨の時期になった。
空はどんよりとした灰色で、何もかも憂鬱にさせる。
退屈なのも、そのせいなのかもしれない。
はたまた、隣にAがいないからか。
梅雨の季節。
その一言を聞いて、ある重要なことを思い出した。
−Aと一緒に帰った時の話だった。
その時も雨が降っていて、Aが傘を忘れたから
二人で俺の傘に入ったんだっけ。
いつもより距離が近くて、咄嗟に何か話さなくちゃ、と思い
ある話題を投げかけた。
赤葦「雨か。もうすぐ梅雨の季節だね」
A「ね。あ、でも私、雨好きだよ!」
破天荒で木兎さんとどこか似ているAは
晴れが好きなのかと思ってた。
赤葦「意外だね。どうして?」
A「ほら、雨の日って何だか落ち着くじゃん?それに−……」
人差し指をピッと立てて口元に添えている。
その後、幸せそうに俺の方を向いた。
A「もうすぐ誕生日だから。衛ちゃんがケーキ作ってくれるの〜!」
夜久さんが作るケーキを想像しているのか、
今度は両手を頬に当ててうっとりした表情を浮かべた。
−Aの誕生日が、刻一刻と近づいているのだった。
恋人なんだから、やっぱり誰よりも特別なものをプレゼントしないとっていう気持ちはある。
けれど、その『特別なもの』が分からない。
ましてや、女ゴコロすら分からない俺には、
どんなものをプレゼントすればいいのか分からない。
もしもアレをプレゼントすれば、Aは
本当に喜んでくれるのか?とか凄く悩まされる。
Aに秘密にして、後でマネージャーに聞いてみよう。
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ひかり - 面白いです!更新、楽しみに、しています! (2016年12月12日 18時) (レス) id: a2132d1ad5 (このIDを非表示/違反報告)
まめ - 赤葦かっこいいですね。更新頑張って下さい! (2016年12月11日 18時) (レス) id: 2831279d89 (このIDを非表示/違反報告)
更音 - 毎回楽しく読ませてもらってます。続き楽しみにしてます。 (2016年11月27日 11時) (レス) id: 8fce01b43a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:優猫 | 作成日時:2016年7月19日 20時