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▽想い ページ19

赤葦side






黒尾「あー…分からなくもねぇな」


Aさんの事が心配だ、という事を話すと、
黒尾さんは少し呆れたように笑った。


黒尾「でもな、やっぱ風邪ひいてるとしんどいのか、はしゃがなくなるんだ」


普段あんなに元気なAでも、
静かになる時ってあるんだな。

どんな感じだろう。

1日に何回も俺の苗字を呼んでくるAが
急に無口になったり、笑わなくなったり……


赤葦「……それはそれで心配ですね」

黒尾「過保護か」



やっぱり本調子のAがいいな。
少しでも弱ってると、俺までその気がうつりそう。




黒尾「っつっても、木兎が二人いるみたいだろ。騒がしさ的に」

赤葦「Aの方が可愛いですね」

黒尾「うおっ、怖え怖え」



ピシャッと言ってしまった。

木兎さんがしょぼくれモードになっても
少し面倒くさいだけで
放っておいても直るけど、
Aは違う。

Aがしょぼくれてたら気になって気になって
すぐ近くに行って相談にのる。


何だこの差は。




黒尾「……お前、恋愛になると面倒くさいな」

赤葦「どういう事ですか」

黒尾「ん〜…過保護で心配症なとこあるから
恋人兼保護者的な?」



……確かに、それは俺がAと付き合い始めてから皆に言われる。
時々「彼氏ってか執事かよ」って言われるくらい、
Aの世話をしてる気がする。

自分にとっては苦でもないし、逆に俺から世話しに行ってる。
無意識って怖いな、と心底思った。





黒尾「ってかさっきから思ったんだけどよ、
……お前、顔色悪くね?」

赤葦「…心配過ぎてAの事考えてるからじゃないですかね」

黒尾「いや、そういう事じゃなくて」


黒尾さんが言葉を紡ごうとすると、電車内にアナウンスが流れた。
次の駅は、黒尾さんの降りる駅。


気がついたようにアナウンスを聞くと、
黒尾さんは足元に置いていたバッグを抱えて
ドアの方へ向かった。


黒尾「んな考え込みすぎても、Aは大丈夫だからな。
それよりお前の方が大丈夫かと思うけど」




意味深な言葉を残して、黒尾さんは降りていった。

何だか頭が痛い。

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ひかり - 面白いです!更新、楽しみに、しています! (2016年12月12日 18時) (レス) id: a2132d1ad5 (このIDを非表示/違反報告)
まめ - 赤葦かっこいいですね。更新頑張って下さい! (2016年12月11日 18時) (レス) id: 2831279d89 (このIDを非表示/違反報告)
更音 - 毎回楽しく読ませてもらってます。続き楽しみにしてます。 (2016年11月27日 11時) (レス) id: 8fce01b43a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:優猫 | 作成日時:2016年7月19日 20時

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