【ハイキュー】行き場を無くした努力家【男主】

21話 ページ23

貴方side


「「「ありがとうございましたッ」」」


エンドラインに並び挨拶をする選手達を横目に、最後の旭さんのスパイクを思い返す




影山と菅原さん──2人のセッターから、いや、チームのみんなから託されたトス

そしてそれを打ち切った旭さん(エース)





俺もあんな風に戦えていたのだろうか


旭さんみたいに、最後の1点を託してもらえるような

そんな“エース“でいれただろうか






──「依生！お前は最高のエースだな！！」──




いつの日だったか、仲間がそう言ってくれたことがあった

その時は気恥ずかしくて、何言ってんだなんて笑って誤魔化したけど、本当はめちゃくちゃ嬉しかったことを覚えてる



あの時はバレーボールが出来なくなるなんて思ってもいなかった

もし、わかっていたら、ちゃんと“ありがとう“と言えていたのだろうか




“最高のエース“



その言葉が俺に向けられることが二度と無いとわかっていたら














ザワザワと周りが賑やかになってきたことに気づき、周りを見回すと、次に試合を控えている学校の応援の人達が準備をしていた

烏野もすでにコートから撤収しており、もう姿は見えなかった


しばらくしたら、明日の試合に向けて対戦相手を見るために、ギャラリーに上がってくるだろう

そう考えながらスマホで入口に貼ってあったトーナメント表の写真を開き、烏野がいるブロックを確認すると、隣のコートの試合の勝者と明日はあたるようだった。


取り敢えず、邪魔になるし移動しようと思い、腰を上げて歩き出す。




『(隣のコートの試合は…

へえ、シード校の1試合目なのか)

……青葉城西、か』




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投稿済の話をちょくちょく訂正してますが、読み直さなくても普通に読み進められるレベルの訂正なので、設定の追加分だけ確認してもらえると大丈夫です！

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