13話 ページ15
貴方side
ー翌日(放課後)ー
「依生またなー」
『おー、また明日ー』
教室から人が減っていき、俺もそろそろ帰るかと机の上の教科書を鞄に入れて席を立つ
教室を出て階段を下り昇降口へ向かっていると、後ろから走ってくる足音がした
『(廊下走ってると教頭に怒られるぞ…)』
そんなことを考えていたその時、バッと目の前に人が現れた
『うぉっ………って日向か』
日「奈木野!今日も見学来いよ!」
『…行かないよ』
日「えー!?何でだよ!」
『昨日行ったから』
日「昨日は途中で帰っちゃったじゃんかよー」
『練習の様子はちゃんと見たし充分だろ』
そう返すと、それはそうだけどさー、と納得がいっていない様だ
『今日は用事があるから無理だ』
本当は用事なんて無いけど、もうあの場所に行きたくなかったから、嘘をついた
日「そっかー、用事があるなら仕方ないな!」
『ほら部活始まるぞ、早く行きな』
日「やべっ!
じゃあまた明日なー!!」
いや、もう来ないでくれ
そう思ったが、取り敢えず今日は諦めてくれたし、明日のことは後で考えればいい、と自分に言い聞かせて昇降口へと再び歩き出した
ー3日後ー
『はぁぁぁぁ、、、』
舐めていた
2週間誘い続けてきた奴らが、たった1回見学に行ったくらいで諦めてくれるはずがなかった
予想はしていたが昨日も一昨日も日向と影山は俺のところに来た
昨日なんて教室まで来た
なんなんだよあいつら
どうすれば諦めてくれるんだよ
『………っはぁぁぁぁ、、』
けど
心のどこかにアイツらが俺をバレー部に誘ってくれることを喜んでいる自分がいる
3日前、見学に行ったときから、もう蓋をしたはずの“バレーがしたい“という気持ちが少しずつ顔を出してきている
その気持ちが大きくなれば大きくなるほど辛くなると分かっていても、その気持ちを抱いても無駄だと分かっていても、再び溢れ出したソレは止められない
“もういい加減諦めろよ
お前はずっと諦めたつもりでいるだけだ
分かってるだろ?
その体でまたバレーをするなんて無理だって“
そう俺の理性が言う
“分かってるよそんなこと
もう痛いほど思い知ったよ
だけど
大好きなんだよ、バレーボールが
諦めたくないんだよ“
そう俺の本能が叫んでる
ああもう、だからバレー部には関わりたくなかったのに
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みさと(プロフ) - はじめまして、楽しく読ませていただきました。更新楽しみにしてます。 (2022年11月9日 11時) (レス) @page24 id: 4cd99ae802 (このIDを非表示/違反報告)
ハンカチモンスター(プロフ) - 自分のペースで更新頑張ってください!応援してますっ! (2022年10月23日 21時) (レス) @page24 id: dd4a83489c (このIDを非表示/違反報告)
響輝@お気に入り400人突破ベリサンキュ(プロフ) - 唯さん» 二度目のコメント失礼します。読み返していてやっぱりすごく面白かったです。自分は引き籠りっ子なのでスポーツとか部活とか青春とか無縁です…。少し経験はあるんですが文化部だったので主人公君ガンバレ〜、と思いながら数週してます。更新楽しみです。頑張って下さい (2022年10月18日 1時) (レス) id: d6b5ec7764 (このIDを非表示/違反報告)
千椛(プロフ) - 続きがとても楽しみです! (2022年9月17日 14時) (レス) @page23 id: 5a2d0a48cd (このIDを非表示/違反報告)
もんちゃん - いつの間にか!!めっちゃ更新されてた!!クゥー!!主君にもう一度コートに立って欲しい!!でも分かるわなぁ。主君の気持ちも。私も似たような感じで陸上辞めましたもん。まぁ私は精神的にですけどね!!これからも更新頑張ってください!!!!!! (2022年9月14日 19時) (レス) id: 6fe5483fb2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:唯 | 作成日時:2022年8月8日 7時