【HQ】優しさに触れる【短編集】

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「周りとの得点率の差も少しずつ縮まってるんだし。まぁ焦るのもわかるけどさ。これからも自分のペースで頑張れば最終的には勝てるんじゃない。Aの不安はAにしか解決できないからネ。上手く慰められないけど。僕も自主練くらいは付き合ってあげる。
八つ当たりでもすればいい。それで学校では笑顔でいたらいいんじゃない。」

『それ、蛍になんのメリットもないよ？』

「メリット欲しさに君と付き合ってるわけじゃないんだけど。」

「逆に一人で悩まれるほうが迷惑。悩むなら僕の前で悩んで。」

『何それツンデレじゃん！』

「今度こういうことあったら、僕のこと遠回しに頼れないって言ってるのと同じだからネ。」

『そんなことないよ！』

「なら頼りなヨ。」

『はーい。あのさ、今日、やっぱり花火したいな。』

私が勝手に約束して、延期にしようって言って
振り回したからダメって言われるかもなぁ。

「僕わかったって言ってないよネ。早く準備して。」

『やった！！ありがとう！蛍男前！！」

私の彼氏はスパダリです。断言できるわ。

「ハイハイ。じゃ、１時間後に迎えいくから。」









夜。蛍が迎えに来てくれて近くの公園に来た。

「ほら、火つけるヨ。」

チャッカマン担当は蛍だ。

『線香花火は最後ね！』

二人とも火を灯して花火を楽しむ。
初めて蛍とする花火はいつもより綺麗で儚く見えた。

『線香花火勝ったら一つお願い叶えて！』

「いいケド。僕が勝つに決まってるヨ。」

そんな言う蛍を無視して花火に火をつけさせた。





ボタッ。

『うわー！負けた！』

「ほら、言ったデショ。じゃ、僕のお願い聞いてネ。」

『仕方ないなぁ。』

「そっちが言い出したんじゃん。はい。」

手を差し出されたから握手してみた。

「このまま帰るよ。」

『え、何それ！新種のデレ！レアすぎ！！』

「何、解きたいの？」

『滅相もありません。』


帰りは蛍と手を繋いで帰る。
蛍の優しさとか温もりが掌から伝わってくる気がしてくすぐったくなった。






家の前に着く。

『帰りたくないなぁ。』

「もう遅いデショ。それに、来年もあるんだから。」


そう言ってふいっとそっぽを向く。
蛍の耳は赤く染まっていた。



『そうだね、来年も一緒にしてね！』

「どっかの誰かさんが断らない限りネ。」

うぐっ。痛いとかついてくる。
でもサラッと来年の約束も貰えて嬉しい。
また蛍のことを好きになる。




今日も私の彼氏は最高です。

岩泉一→←月島蛍

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