国見英 ページ43
「A姉さん、マネージャーしてくんないの?」
そう言いながら私の肩に顎を乗っけてくる、幼馴染みの英。
一つ年下の彼は、高校に入学した翌日、昼休みに私の教室に突撃してから毎日これだ。
最初は驚いてた周りも、最近は生暖かい目で見てくる。適応力が素晴らしい。
「無気力系男子代表の国見が毎日勧誘とかレアすぎるから諦めろよー」
なんて笑ってくる同じクラスの矢巾。
『えー、しないしない。大体、マネージャー要りませんって宣言してんじゃん、男バレ』
「A姉さんなら歓迎だから。寧ろ俺の為に入部して」
『及川さんのファンに刺されそうだから嫌』
「だとよ、クソ川」
「及川さんモテモテだからねぇ、困っちゃうなぁ〜けど大丈夫!俺が守ってあげるからサ★」
「そういうのいらないんで」
さっきまでの甘えた英はどこ行った。
そして、何で三年の二人がここにいるんだ。
「国見ちゃん辛辣〜!!」
「真面目な話な、マネージャーいなくて国見たちが仕事してて。けどこいつらレギュラーだから、バレーに集中させたいんだわ」
岩泉さんの言うことは最もだ。バレーさせたらメンバー外れた先輩からの反感は免れない。
「その話を部室でしたら、矢巾と国見が及川ファンじゃない丁度いいやついるってAを紹介された」
なんか外堀固められてる感半端ない。
「A姉さん、ダメ?」
顎を乗っけたままの英が言う。いや、先輩いるのにその体制続けてたのね。
そして、私はこの英のお願いする仕草に弱い。
わかってる、英は小悪魔だって。これでオッケーしたが最後。さっきの態度はどこ行ったってくらいけろっとしてる。
頭ではわかってるし、これで何度も面倒なこと押し付けられたんだけども!!
『…わかったよ』
お腹に手を回すな英。矢巾、ホッとするんじゃない、お前のせいでもあるんだぞ!とか言いたいことだらけだけど。
『但し、次の練習試合で英が頑張ってたらね』
「まじかよ」
「国見ちゃん、低燃費モードどうするの!?」
「頑張ってたらっていうか、A姉さんの時間費やしても無駄じゃないって思わせればいいんだろ。支えたいって思わせれば」
「何処をどう解釈したらそうなるんだ」
矢巾のツッコミは置いといて。
『まぁね。有名なマネージャーでもない一般ピーポーの私だけど、私の時間の使い方は私が決める』
「かっこいいな、お前」
岩泉さんから言われたら本望。
「なら大丈夫だろ。うちの先輩は強いし生半可なバレーしない」
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...syokatsu...(プロフ) - のりまきさん» そう言って頂けると嬉しいです!ありがとうございます!! (2020年5月25日 15時) (レス) id: b4154610b3 (このIDを非表示/違反報告)
のりまき - 初めまして!白布くん読ませて頂きました。とんでもなくキュンキュンしました作者さん天才です!!!これからも応援しています! (2020年5月25日 2時) (レス) id: a2e04f6f11 (このIDを非表示/違反報告)
...syokatsu...(プロフ) - 美穂さん» そう言って頂けると嬉しいです。これからもっと上手く書けるように精進していきます!本当に今回はありがとうございました(^-^) (2020年5月1日 22時) (レス) id: b4154610b3 (このIDを非表示/違反報告)
美穂 - 大地さんの見ました。キュンキュンしました!ありがとうございます! (2020年5月1日 20時) (レス) id: f7b3d5ed55 (このIDを非表示/違反報告)
美穂 - ...syokatsu...さん» ありがとうございます! (2020年4月30日 15時) (レス) id: f7b3d5ed55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:...syokatsu... | 作成日時:2020年3月5日 13時