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『撮るきっかけをくれたから。かっこよくて好きな人だったから。単純ですけどね』

カメラなんて興味無かったのに、澤村から俺のことずっと見ててって幼い頃に言われて、カメラ越しに澤村を追いかけてきた。

しっかり者で、小学校で周りから揶揄われても、私と距離を置くことなんてなくて。

バレーを始めた澤村を見てたのは私。いつだって隣には私がいたけど。

中学で都合がついたから試合を見に行って。試合後のユニフォーム姿を撮ろうと思ってカメラを構えたら、そこにあの子が来た。

澤村の顔をカメラ越しに見た。初めてみる表情だった。もう10年以上、私は澤村を見てきたのに、知らない顔だった。

私は澤村が好きだと気付いたと同時に失恋した。

あれから、人の顔をカメラに写していない。私はずっと澤村だけを写してきたから。

他の誰かを写すことで、私の思い出が風化されちゃう気がして。かと言って澤村を写すのは無理で。

「ふーん。でも、それはキッカケじゃん。とる目的がなくなっても、写真とるってことはさー、好きなんじゃん!」

確かに私は、澤村を撮らなくなっても、風景を撮り続けた。いつのまにか、澤村を撮ることじゃなくて、写真を撮ることも好きになっていたのかな。

「それに、Aはもうふっきれてるんだろー?ならとる目的ってやつを俺にしたらいい!」

吹っ切れてるってわかるんだなぁ、木兎さんってなんか不思議な人。

「そいつがはいゆーみたいなイケメンかもしれないけどな、俺がバレーしてるところの方がカッコいいって言わせる自信あるぜー!」

あまりにも堂々と言うもんだからちょっと笑ってしまった。

「あ!信じてねぇだろ!!本当だからな!俺のこと好きじゃなくてもとらせてほしいって言わせるくらいのプレーしてやる!だから明日の烏野との試合楽しみにしとけよ!」

ビシッと指を指された。

『なんか少し悩んでたのバカらしく思えたや。じゃあ明日、期待してるね』

「任せとけ!じゃあ指切りな!」

小指をとられて絡められる。そしてあのお決まりの歌。






指切りの儀式が終わった後、夜遅いからって女子の部屋の近くまで送ってくれた。

単細胞に見えて意外と気が利くんだな、なんて失礼なことを思った。

「じゃあまた明日な!おやすみー!」

夜だから声のボリューム落として下さい、なんて言いたくなったけど、なんでか許してしまう自分がいる。

『うん、またね。おやすみ』

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設定タグ:ハイキュー , HQ , 短編集   
作品ジャンル:恋愛
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...syokatsu...(プロフ) - のりまきさん» そう言って頂けると嬉しいです!ありがとうございます!! (2020年5月25日 15時) (レス) id: b4154610b3 (このIDを非表示/違反報告)
のりまき - 初めまして!白布くん読ませて頂きました。とんでもなくキュンキュンしました作者さん天才です!!!これからも応援しています! (2020年5月25日 2時) (レス) id: a2e04f6f11 (このIDを非表示/違反報告)
...syokatsu...(プロフ) - 美穂さん» そう言って頂けると嬉しいです。これからもっと上手く書けるように精進していきます!本当に今回はありがとうございました(^-^) (2020年5月1日 22時) (レス) id: b4154610b3 (このIDを非表示/違反報告)
美穂 - 大地さんの見ました。キュンキュンしました!ありがとうございます! (2020年5月1日 20時) (レス) id: f7b3d5ed55 (このIDを非表示/違反報告)
美穂 - ...syokatsu...さん» ありがとうございます! (2020年4月30日 15時) (レス) id: f7b3d5ed55 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:...syokatsu... | 作成日時:2020年3月5日 13時

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