45 ネットの"向こう側" ページ46
▷ 東峰旭 side
日向「ブロックが目の前から居なくなって…ネットの"向こう側"がぱあっと見えるんですよ!」
昼休みに俺を訪ねてきた1年2人は、俺にバレー部に戻ってきて欲しいと言った。
そして、エースと呼ばれる俺が羨ましいと。
1人で勝てないのは当たり前だと言った。
放課後になり、俺は帰る支度を整えて鞄を持ち、教室を出た。
いつも通り階段をおりた先で、とある人物が俺を見上げているのに気がつく。
『……A』
A「…旭先輩。部活、行きましょう」
『いや、俺は』
A「行きましょう!」
『えっ、あ、ちょっ!!』
Aは、階段を勢いよく上がってきたかと思えば、俺の腕を掴んで体育館へと歩き始める。
『は、離してくれないか、俺はバレー部に戻るつもりは』
A「…」
体育館前の渡り廊下でピタリと止まる。
そしてゆっくりと振り返り、俺を睨むように見上げた。
A「バレーボール、嫌いになったんですか?」
『……え?』
A「それともバレーボール出来へんくらいな怪我でもしはったんですか?」
急に目の色を変えて関西弁で話し始めるAは、ぎゅっと俺の手を握り、俺のてのひらを指でさすった。
『A…?』
A「この手は日向が憧れるエースの手です。何があったかは知りませんけど、この手で守ってきたボールや打ち込んできたスパイクがあったはず」
『…それは』
A「私はバレーボール初心者です。説得力も何ないんは分かっとります…でも、」
顔を上げたAは、ぽろぽろと涙を流しながら口を開いた。
A「折角、好きなことできる機会があるのに、そのチャンスを無駄にせんとってください!」
『…!!……な、泣かないで』
泣いてません!!と泣きながら言うAの背中を慌ててさする。
女の子のあやし方なんて知らず、どうしたらいいのかと焦っていると、前方から大地が歩いてきた。
泣いているAをみるなり、酷く驚いた顔をして駆け寄ってくる。
澤村「A!?ど、どうした!?旭、これは一体どういう」
A「旭先輩…帰ってきてくださいぃぃ」
『ぅ、わあ!?A…っ!?』
澤村「あ、コラ、A!旭に抱きつくな!」
A「澤村先輩ぃ……うぅ」
澤村「…よしよし、落ち着け、A。ほら、もう泣くな」
俺からAを引き剥がした大地は、ぎゅうっとAを抱きしめて、トントンと背中を叩いてあやし始めた。
46 戻ってくる理由→←44 ローリングッサンダァァァ!!!
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ゆにぃ(プロフ) - 夢主ちゃんと私の誕生日が全く同じで運命を感じました笑 (2021年1月13日 1時) (レス) id: db3ddbd843 (このIDを非表示/違反報告)
のん - とてもおもしろいです、更新楽しみしてます (2020年7月2日 18時) (レス) id: 53c650bd15 (このIDを非表示/違反報告)
shiba(プロフ) - ナナさん» ナナさんコメントありがとうございます!頑張りますので楽しみにしててくださいねd(^_^o) (2020年6月26日 1時) (レス) id: 45bc59818c (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - 夢小説で剣道設定ってあまり見なくて、現剣道経験者からしたらすごく嬉しいですっ更新頑張って下さい (2020年6月25日 23時) (レス) id: a97c2b272e (このIDを非表示/違反報告)
shiba(プロフ) - ふぇいさん» ふぇいさんありがとうございます!!更新頑張るのでこれからも見てくださいね(≧∇≦)/ (2020年6月25日 13時) (レス) id: 45bc59818c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:shiba | 作成日時:2020年6月21日 12時