イケメンマネージャーは男前。【HQ】

16 おれにトスもってこい！ ページ17

▷ 影山飛雄 side




金田一｢くっ！！フザけんな！！無茶すぎんだよお前のトス！打てなきゃ意味無ぇだろうが！！｣



相手にリードされている試合状況の中、チームメイトからの怒声。






けどこのブロック乗り切らなきゃ勝てねぇだろ！

ここで終わんのか？

負けんのか！？


…違う！！俺は全国へ行く！！


ぐちゃぐちゃな思考の中、俺は気がついたら口を開いて、チームメイトを怒鳴りつけていた。




『もっと速く動け！もっと高く跳べ！俺のトスに合わせろ！！勝ちたいなら！！』




ハッとして周りを見た時には既に遅かった。
チームメイトの俺を蔑むような目。

迫る相手チームのセットポイント。



第1セットの相手のセットポイントでトスを上げた先、そこには。



誰もいなかった。









月島｢速攻(クイック)使わないのも、あの外された決勝でのことのせいでビビってるとか？｣



からかうような月島の口調に、腹を立てる自分もいるが、仕方ないと諦めるような自分もいる。



『あぁ、そうだ。トスを上げた先に誰もいないっつうのは心底怖えよ』



ポロリと出た本音。


…そうだ。

どうせ、誰も俺のトスなんて。




A｢影山｣



声のした方を見れば、バレーなんてやった事ないであろうAが、ただ俺を真っ直ぐに見ていた。



A｢私はバレーのことなんて分からない。でも初心者の私でも分かる…影山は凄い。サーブも上手いし日向のめちゃくちゃなタイミングにトスを合わせるのも上手い｣

日向｢め、めちゃくちゃって…！｣

田中｢まぁ、めちゃくちゃだわな｣

日向｢えぇ！？｣


A｢日向！！｣

日向｢ひゃあい！！！｣

A｢日向なら、跳べるよな｣




Aから視線をずらし、日向を見ると、俺の目を真っ直ぐ見ていた。



日向｢おれにはちゃんとトス上がるから打てる！中学の時とか別に関係ない！｣

『…』

日向｢それよりもどうやってお前をぶち抜くかだけが問題だ！｣



ビシッと月島に指を指す日向。

そして俺を見て笑った。





日向｢おれにトスもってこい！｣

『……っ！』






ふとAを見ると、ニッと笑って俺を見ていた。





A｢影山、頼むからさ、生意気な月島を蹴散らしてくれやぁ｣




関西弁でそう言ったAの形相は、般若というのが正しいと思う。

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