24 ニートはリボン派↑生理ネタ ページ26
「てめえクソ松!殺すぞクソ松!俺のご褒美奪ってんじゃねえよ!!」
プレゼントが顔面にクリーンヒットしたカラ松さんの胸ぐらを、一松さんが凄い剣幕で掴み上げる。
そんな二人の姿に笑えるほど、今の私は心中穏やかではない。
なんてデリカシーのない人たちなんだろう。
私は深く溜息を吐いて頭を抱える。
変態二人を素敵♡だなんて思った私が馬鹿だった。
だいたい、私のような呑んだくれニートに少女漫画展開なんて有り得るわけがなかったのだ。就職しよう。
ドキドキしていた自分を恥じていると、一松さんが恨めしそうな視線を私に向けてくる。
「……なんです?」
「クソ松だけご褒美あるとかヒイキだろ。俺にもなんかちょうだい」
「いや、ご褒美とかあげたつもりないですけど…」
「アア?SMでご褒美は基本だろうが、早く俺のこと踏めよメス豚が」
「もうキャラぶれっぶれじゃないですか!触んないでください!」
ギラギラした目で迫って来る一松さん。
ご褒美を取り逃がして様子がおかしくなってしまった彼の肩を押し返し、私はとっさに口を開いた。
「こ、今度!今度またお礼しますんで、今日はもう解散しませんか?」
時間も遅いことですし!と引き攣った笑顔を二人に向ける。
一松さんはしばらく逡巡した後、ゆっくりマスクを掛け直して「絶対?」と私を見た。
「や、約束します!玄関まで送りますね!」
ぶんぶん首を縦に振って、半ば強制的に二人の背中を玄関まで押していく。
しぶしぶ靴を履く彼らに、私はぺこっと頭を下げた。
「今日は本当にありがとうございました!それではお気を付けて!」
そう言ってサッと玄関を開け、乱暴に彼らを家から追い出す。
二人はそんな私を見て顔を見合わせると、ぺたりと両頬に手のひらを添えてきた。
ひんやりとした空気の中、彼らから伝わってくる温かな体温。
「……へ」
「A、もう辛くないか?」
愛おしげに目を細め、優しい声色で問い掛けてくるカラ松さん。
その姿にぽかんと口を開けながら頷くと、二人はますます頬を緩めた。
「元気になってよかった」
その言葉に驚くヒマもなく、するりと温かいそれが離れ、ドアが閉まる。
じわり、体温の残る頬が熱い。
「……え?え!?えええ!?」
高鳴る胸に、たまらずその場にうずくまる。
心臓がバクバク脈を打って、もうどうしようもなく顔が熱い。
(だから、少女漫画には慣れてないって…!)
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スカイ(プロフ) - 本当に好き....!!!めちゃめちゃ面白いです!作者様がまた書きたいと思いましたら、更新して頂けるととても嬉しいです!待っています! (2020年6月2日 18時) (レス) id: a0f03080e5 (このIDを非表示/違反報告)
おもちもちもちもんだみん(プロフ) - おもしろい〜! (2019年2月14日 14時) (レス) id: bcc917b3e1 (このIDを非表示/違反報告)
ヨモ(プロフ) - ナバポさん» コメント有難うございます!こじらせクズがとても好きなんです〜!楽しんでもらえてとても嬉しいです! (2017年12月23日 12時) (レス) id: 63c1855969 (このIDを非表示/違反報告)
ヨモ(プロフ) - 俺の嫁は二次元(キリッさん» コメント有難う御座います^^年に二度ほどしかない更新ですが楽しんでもらえたら嬉しいです! (2017年12月23日 12時) (レス) id: 63c1855969 (このIDを非表示/違反報告)
ナバポ(プロフ) - 二人がクズをこじらせている笑面白かったです! (2017年6月14日 20時) (レス) id: 03f7a55e36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヨモ | 作成日時:2015年12月15日 21時