八重島さんの夏休み【白鳥沢】

四十三重島さん ページ3

寮母さんには大丈夫？って心配されたけど、さっきより明らかに体が軽く感じる。





やっぱ最近バイトばっかだったからかなぁ。


食堂に戻ると、真っ先に那須さんが話しかけてくれた。




「Aちゃん大丈夫？！」


「おかげさまでよくなりました！
　迷惑をかけてしまってすみません」


「大丈夫よ大丈夫！！
　あ、リーダーが探しててね……って来た来た」


「八重島ちゃん大丈夫？！」


「もう大丈夫です！
　あの、那須さんが『私を探してた』って」


「そうなのよ〜、話そうと思ってたんだけど」


「はい」


「木曜が元々休みだったんだけど
　八重島ちゃん、色んな人の代わり頼んでたし、今週の水木金は休みにしようかって」


「まじですか」


「マジマジ」









今日は月曜日。




明日は午前中だけだったから、午後〜日曜日は休みになるのかぁ


5日も休みがあったらなにしよ…









.








.








「八重島ちゃーん？」


「あ、すいません」


「今日は帰っていいからしっかり休むのよ」


「はい」


「じゃあそういうことで」








食堂のドアを押したリーダーは「あ。」と呟いた。

なにか言い忘れてたらしい。





「八重島ちゃん、バレー部の子心配してたよ。
　よかったら体育館にでも顔見せてあげたら？」









ごめん、私売店の発注あるから！！


そう言い残してリーダーは走り去っていった。







その光景をただ見送るしかできない私の隣で







「青春っていいわねぇ」




那須さんが笑った。

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