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spring wind…01 ページ1

あ、春の匂いがする。







心から漏れた小さな呟きは、

国見の「まだ2月の中頃ですけど」

と言いたげな視線に刺された。





「なんだよ、それ」


「なんか春がきました〜 的な?」



「言い方がアホっぽい。

 めちゃくちゃアホっぽい」



「そこまで言わなくてもよくない?」




いつも以上につっかかって来るじゃないの。

ねぇ? 国見さん。









チラリと様子をうかがうと、

気だるげな国見と一瞬だけ目が合って

盛大なため息がこぼれ落ちてきた。








「こんなやつに国語負けたとか
 マジでないわ」



「しょーがない、
 国見が授業中に寝てたからだよ」





数学や英語で勝てる気がしなかったので、

みんながあまり勉強しないであろう、国語に力を入れた私。


功を奏したのか、11点差で勝つことができたので大満足だ。


まぁ、他の教科は惨敗だったけど。









「てか、A。
 また頭髪点検引っ掛かったの」




話題を無理やり変えられた気がするが、これも事実。



「そうなんだよ!先生が厳しくてさ、

 礼して眉毛にかかるからって

 切って見せにこいとかひどくない?!」




「どうせなら後ろも切っちゃえば?」



「なんで?」




気まずそうに視線を地面に落とすので

つられて落としてみる。









「え………言わない」






前回、私がバッサリ切ったのは影山に振られたときだった。





言葉を濁されてしまったが、
これも彼なりの優しさなのだろうか。

spring wind…02→



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作者名:おと〜ふ。 | 作成日時:2018年3月25日 10時

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