【ハイキュー!!】僕等はきっと夢を見る【短編集】

この距離を【澤村大地】琴様リク ページ3

この距離が変わってしまうならば、


私はいっそ臆病者で良い――…




*


「A、待たせた!ごめんな」


「大丈夫、そんなに待ってない」



部活終わりの幼なじみが私の元へ走ってくる



そう、


私と大地の関係はあくまで"幼なじみ"




…ただ、一つ補足するならば私は大地に片想いをしている



告白なんて出来ない



だって、



今のこの距離がもっと遠くなってしまうかもしれないから



近付き過ぎてしまえば、この距離は元には戻らない




…振られた後のことなんて考えたく無いもの


「A、聞いてるか?」


「あ、ごめん…」


「お前が考え事なんて珍しいな」


「それ失礼」




大地は笑いながら私の頭に手を置いた



「まぁ、俺も考え事してたんだけどさ」



大地はそう言って歩みを止めた



「俺はお前のことを考えてた」


「え…?」


「――どうしたら、お前との距離を縮められるのかって」



大地の真剣な表情に目を奪われる



「"幼なじみ"じゃなくて、俺はAと"恋人"の関係になりたい」



これは夢ですか…?



「私、も…大地と"恋人"になりたい」




*


臆病者の私に必要だったのは、


一歩踏み出す"勇気"

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