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入学式の準備なんかでいつもよりも早く終わってしもうた部活。治に置いてかれたのが癪で、人目のつかん校舎裏でカバンからバレーボールを取り出した。
ぽーん、ぽーん、と春の空に漂う雲めがけてボールを放つ。でも重力には逆らえんから上げるとすぐに帰ってきた。
心地ええ風が俺の肌を撫でて、桜の花びらがひらひらと不規則な動きでコンクリートに落ちる。
こんどは少し高く上げる。
ほんの少しなのにボールは春風にさらわれてもうて、近くにあった桜の木に乗った。
「あーもー最悪や」
ボールは取らなあかんし、かといって取れそうな場所にもない。
とりあえず木に近づいて下から覗くと
「エッ」
まさかの知らん女子がおった。
。
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作者名：おと〜ふ。 | 作成日時：2019年4月4日 19時
