影山くんが鈍くない件について【影山飛雄】

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「それでよー

　月島、なんか変わったんだよな」





日向の自転車がゆっくりと回る




「確かに。」







あの山口が言ってたから



やっぱり本当なんだなと改めて実感。





どうせなら


試合、見にいけばよかったな。





さっきから一言も発さない影山くんを


ちらっとみると




ふわぁ。とあくびをしていた。






…………眠いのかな。









日向の話が一段落ついたみたいなので




今度は私の番。




話というより、質問なんだけど





「なんで日向は私の家の前にいたの？」




ずっと気になっていた疑問をぶつけた。



日向はあっさりと答えた。





「影山を尾行した」



「び、尾行！？」





「おう！」




…………斜め上の回答が返ってきた。







でも、目の前に浮かぶような………





あ、浮かんじゃだめか。








というか




「二人とも家近かったっけ？」




「「いや」」





………あ、ハモった。








話を聞く限り、




日向は一山こえた先で




影山くんは北川らしい。




……なのに影山くん送ってくれるんだ。





「A、なんで笑ってんだ」



「え、そう？」




いつのまにか


ほっぺたの筋肉がゆるんでたみたい。




「いいことあるなら教えろー！」




「んー内緒。」





私だけの秘密ということで。

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