影山くんが鈍くない件について【影山飛雄】

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「もう、いいぞ」




「…ん」




離れると、ぎこちない空気が漂う




「付き合わせて、悪かった」



「あー…多分、大丈夫！」




彼氏いないし。




たとえ見られてても





明日、適当に言い訳しておけば




多分なんとかなるはずだ。





「あ、今日暇か？」




「暇だけど。なんで？」




「送る」





「え、別にいいよ」





時間は5時半前。



そこまで暗くないので一人でも大丈夫。







それより…




「部活あるんじゃないの」





聞かれた本人は、“あぁ”という顔になって






「今日は自主練」





……………そうなんだ。





影山くんは沈黙になったのを見計らい



「ちょっと待ってろ」







そう言い残して、




第二体育館のほうに走っていった





＿＿＿＿＿＿





＿＿＿＿





＿＿





5分後



「わりぃ。大丈夫か？」




さすが運動部、



走ってきていたのに全然息があがってない。





「大丈夫だよ」



そういうと



「ならよし。」





影山くんはどこか満足そうだ






「じゃあ、帰るか」




「そうだね」






そう言って歩き出した私たちを




夕日がオレンジ色に染めていた。

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