束の間 ページ45
とりあえず体力使いたくない私は、レクリエーションには出ない事に決めた。
というか、トーナメントに出る人はほとんどレクリエーションには出ないようだ。
瀬呂くんと上鳴くんはよくやるよね。
更衣室へ向かう途中、心操くんに会った。
「さっきはお疲れ様、トーナメント戦頑張ろ。」
心「ああ。……なあ緑谷って」
「ごめん！個性については言えない。矛盾してるのはわかってるけど、出久くんにも心操くんにも勝ってほしいから。」
心「意味わかんねえな。トーナメント戦なんだからどっちかは負けるぞ。」
「うん…。個性については言わない。けど、出久くんにも心操くんの個性は言わない。」
心「…そうだよな。お前だって、結局はヒーロー科の人間だもんな。」
そう吐き捨てた心操くんは、初めて会った時と同じ顔をしていた。
ああ、嫌われた。
心「ヒーロー科にしちゃいい奴だったよ。でもその八方美人なとこは嫌いだ。」
「そんなつもりじゃ…」
そう返事をしたら、ふわふわしてよく分からなくなった。
頭の隅で個性をかけられたと理解は出来たけど、身体は言う事をきかない。
心操くんのことだから、トーナメント戦までには解いてくれるだろうけど。
ああ、やってしまった。
どっちも勝ってほしいなんて、そんなあり得ないこと。
そして心操くんは圧倒的に分が悪いこと。
きっとあの反応から尾白くん辺りが、出久くんに心操くんの個性の説明をしていることだろう。
身体能力の差だって、普段の授業によって絶対ついてるはず。
出久くんの個性を暴露しなくても、性格や個性の系統ぐらいであれば話しても良かったのかも知れない。
だけどそれは、ずっと一緒にいた出久くんを裏切る行為になるかも知れない。
彼が優勝しようと頑張ってたのを、私は知ってるのだから。
つまり心操くんが言うように、私は腐ってもヒーロー科の人間で、身内を売ることはできないんだ。
それを無意識だとしても隠して、心操くんにも勝ってほしいなんて…
本当に八方美人だよ。
脳内でぐるぐるしていたら、頭に衝撃が走った。
ハッとしたら相澤先生がいて、手が手刀の形になってることから、頭の衝撃の原因はこの人だ。
相「ぼーっとするな眞塚。まだトーナメント戦も始まってないぞ。」
「…すいません。というか、相澤先生何で此処に？」
相「今はマイク1人で十分だろ。」
「いや、そうじゃなくて…」
周囲を見渡すと随分歩いたのか、心操くんもいなくなっていた。
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悠吏(プロフ) - めっちゃ面白いです(*´ω｀*)でも1つ……1回戦開始のマイクのセリフでアカンとこで改行されててちょっとわろたww (2018年11月7日 2時) (
レス) id: b245c2163f (このIDを非表示/違反報告)
ゆなん19(プロフ) - みーさん» コメントありがとうございます！すごく励みになりました。更新頑張ります！ (2018年8月28日 19時) (レス) id: eb3ba049ce (このIDを非表示/違反報告)
みー - 相澤先生が猫になった夢主を撫でるの和みました …さすがテクニシャンwww！ すごく面白いです。これからも更新頑張ってください！ (2018年8月27日 23時) (レス) id: 163146930c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆなん19 | 作成日時：2018年8月16日 3時
