四半純血のプリンス (ページ23)

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「やっぱり蛙チョコって最高に美味しいよね」

「ハリー、こっちの板チョコも最高！」

「そっちは多分ハニーデュークスの最高級板チョコね」

「わお！リッチなヤツなんだ！」

モゴモゴとチョコを咀嚼していたハリーが、チョコレートの山から小さな包み紙を引っ張り出した

「ねぇA、これってメッセージカードじゃない？」

「本当ね。気付かなかったわ」

きっとこのチョコレートたちの送り主からのメッセージだろう
あとでじっくり読もうと思ってポケットにしまったそれを２人の視線が追う

「見なくていいの？君のパパとママからじゃないの？」

「…父さんからじゃないわ。ママはもういないし。きっとサンタクロースからの贈り物よ」

誰が贈ってくれた物かなんて、カードを見なくても分かる。
第一、チョコレートを大量に送りつけてくるのなんか彼しかいない。

「僕、マグル以外でサンタクロースを信じてる子初めて見たよ」

「別に信じてる訳じゃないの…何と言うか、彼のことを説明するのは時間がかかるから。いつか２人にも紹介するね？」

「うん。楽しみにしてる。きっと素敵な人だよね」

ハリーの優しいほほえみに彼の顔を思い出して、笑顔が溢れる
…今頃、何をしているのかしら。

「で、パパからは何をもらったの？」

ひょっこりと顔を出したロンの言葉に首を竦める

「貰ってない。というか貰ったことがないかもしれないわ…父さんはそういうのに無縁な人だから」

「君のパパはカタブツなの？クリスマスプレゼントが無いなんて信じられないよ！」

４箱目の蛙チョコを開けながら言う彼の膝をハリーが軽く叩く

「いいのよハリー。私が父さんと上手くやれてないだけだから」

「僕は父さんたちの記憶が無いけど、こんなに優しくてキレイなんだから愛してくれていると思うよ？Aから手紙を出すとかはダメなのかな？」

「いいね！クリスマスカードだ！」

「…父さんは私のことなんか、愛してくれているはずがない。きっと煩わしい子供くらいにしか思ってないの…母さんだってそうよ」

下ろしていた視線を上げると、心配そうな２人の顔が見えて息を吐く

「…まぁ、カードくらいなら受け取ってくれるはずよね。私、書いてみる」