四半純血のプリンス (ページ17)

今日:9 hit、昨日:38 hit、合計:9,060 hit

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「A、今日くらいはその仏頂面やめてよ…今日はハリーの晴れ舞台だよ？」

ロンの言葉に顔を顰めた私の頭上を箒が掠めた
周りの寮生たちが湧き立ち、グリフィンドールへのエールが一際大きくなる
その歓声を一心に浴びているのは、グリフィンドール期待のシーカー

割れんばかりの歓声に耳を塞ぎたくなる
こういうお祭りは苦手。
とりあえず、ハリーの護衛としてここにいるだけ。

シーカーは金のスニッチを捕まえるゲームのキーパーソン。
一番敵に狙われやすい立場で、しかも相手はスリザリン。
攻撃がハリーに向かうのは必然だった
…まぁ、クィディッチの試合中だから護衛することもできないんだけど。

「あ！ウッドが！」

ハーマイオニーの声にキーパーのオリバー・ウッドを見ると、ブラッジャーが直撃したようで救護係に連れて行かれていた
昨日はあんなに怖がっていたハーマイオニーも今日は朝からピンピンしていた

「マズい…キーパーがいなくなったらスリザリンに有利になっちゃう！」

「あぁ！また点を取られた！これで同点よ…！」

試合に一喜一憂する2人の声を聞きながら、今朝マクゴナガル先生から送られた箒に跨がるハリーを見つめる

「ねぇロン。私あんまりクィディッチ詳しくないんだけど、シーカーってペナルティーでもあるの？」

「…え？ないけど？どうして？」

「だって…ハリーの動き、ちょっとおかしくない？」

飛行術の訓練では器用に箒を操っていた彼が、箒に翻弄されているように見える
…私は下手くそだから普段からああだけど、ハリーはもっと上手かったはず

「…本当だ！あれじゃ落っこちちゃうよ！」