四半純血のプリンス (ページ16)

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「どうじゃ？ハリーとは仲良くなれたかの？」

「近付きはしましたけど、元から仲良くするつもりはありません。仲良くしていた方が守りやすい、ただそれだけですよ」

曖昧な笑みを浮かべたまま差し出されたマグカップに、琥珀色の蜂蜜を注ぐ
甘い蜂蜜の香りが、幼い頃の温かい記憶を蘇らせた

「セブルスとは上手くやれているのかね？…まだ彼のことが怖いかね？」

「っ、怖いわけない！！」

私の悲鳴に近い声に不死鳥の穏やかな鳴き声が重なった
失った冷静さを引き戻してくれたフォークスに視線を送りながら、再びソファーに腰掛ける

「父は私に魔法薬学の知識を授けてくれました。才能はなかったけど闇の魔術に対する防衛学も」

父の指導は目を瞑ればいつでも思い返せる
今思えば親子の触れ合いの時間はあれだけだった

「私は父さんのことを愛しています。本当はポッターなんかより父さんを守りたい…たとえ父さんが私を、私たち母娘を愛していなくても」

ふ、と息をついたダンブルドアのしわがれた手がテーブルをコツコツ、と叩いた

「あなたが真実を語ってくれなかったら、見せてくれなかったら、私は父を恨んだままでした。父への愛を教えてくれたのはあなたなんです、ダンブルドア」

この男がいなかったら私は真実を知らないままあの人のことを一生恨むことになっていた

「だからこそ…あなたに酷使されている父さんを見るのが辛い」

でも、真実のせいで私は『ポッター』を嫌い、母を失った

「ホットミルク、ごちそうさまでした。深夜に外出したことは謝ります…でも、もうお話することはありません。おやすみなさい」

だから私はこの男のことが心底嫌いだった。