スクールカースト最下位の私が宝くじを２回当てたら好きな人が出来た件について【歌い手】

school caste 173. ページ5

彼方「どれ歌おうかな〜」


彼方はそう言ってノリノリで機械を弄っているが、私は全然そんな事は無く椅子に座っていた。


ちなみにカラオケコーナーって言ってもミニカラオケ的な感じで２曲までなら無料で歌える奴です。


彼方「…うん。決めた」


彼方はそう言って私の方をチラリと見て、マイクを握った。


そしてかかった曲に、私は目を見開いた。


＿＿＿＿意外な選曲だなぁ


最近ドラマでも使われた、独占欲の強いカップルの曲。


何だっけ、歌ってる人…最近ライブやった、Minaさんだっけ？


そんな事を思いながら、私は彼方の歌声を聴いていた。


上手いなぁ。低音ボイスだけど偶に出る裏声が凄い綺麗。


暫く目を閉じて聴き入っていると、曲が終わった。


彼方「どうだった？」


『上手過ぎ』


すると、突然拍手が聞こえてきて私達はキョロキョロした。


何時の間にか、周りには沢山のギャラリーがいたらしい。


彼方はそれに戸惑いながらも一礼すると、私の腕を引っ張ってさっさとその場を離れ、ゲーセンの方に向かった。


彼方「人に聞かれてたのか…もうちょっと真面目に歌えば良かったな」


『いやいやあれで真面目じゃないとかどんだけだよ……』


彼方にそうツッコミを入れながら、私達はUFOキャッチャーの方に移動してきた。


『………』


その中の１つ、可愛いぬいぐるみがあったのでそれを取る事にした。


彼方「これ？」


『うん』


彼方「俺やりたい」


『……出来るの？』


彼方「自信無い……」


『じゃあダメ』


彼方「ヤダ、そらるさんやる」


『えぇ……』


彼方のワガママを聞いてしまう私は少しあれだなぁとか思いつつ退くと、彼方がお金を入れて操作し始めた。


彼方「………！やった、取れた！」


彼方は２つ取りを上手くした。


彼方「はいこれ」


『……ありがとう。UFOキャッチャー上手くなったね』


彼方「練習してたんだよね」


『へぇ〜』


彼方「だから家にお菓子とかぬいぐるみとか多くて妹に送り付けたらこれ以上はもういいって苦情が来ちゃった」


『いやどんだけ取ってんの』


彼方「少なくとも行く度に５個位」


『私でも大きいのは２個までにしてるよ？』


彼方「えぇ…まぁいいや、それ貸して」


彼方はそう言うと、私に渡したばっかのぬいぐるみを私が持っているスクバに付けた。


そして彼方も自分のスクバに付けて、こう言った。


彼方「お揃。いぇい」


『対応に困る』


彼方「そこはノッてよ…」

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