さぁ、旅立とう。第２章【浦島坂田船】

Travel.48 ページ9

Riinu side.


＿＿そっか、付き合えたんだ。よかった。


Aちゃんには志麻がいるね。なら大丈夫。


だけど…志麻とAちゃんの約束はちょっと嫌だな。


何で俺のせいで２人が死ななくちゃいけないんだっての。


まぁ志麻の考え的にAちゃんと俺を一緒にしたくなかった、とかでしょ……


…………戻りたい、かも。


でも、まだ戻る訳にはいかない。


だって今戻ったら、きっと海軍の奴らが動き出す。


それだけは避けたかった。


特にluzって奴が志麻とAちゃんが付き合い始めただなんて知ったら。


……犬猿の仲であるluzと志麻のAちゃんの争奪戦が始まるのは目に見えていた。


luzはAちゃんの事が好きじゃない。でも、きっと志麻の絶望した顔が見たくてAちゃんを奪おうとするんだ＿＿＿



とまぁ、俺の考えは置いといて、どうもこんにちは。莉犬です。


今俺は普通にあの世とこの世の境界線にいます。


戻ろうと思えば戻れるし、帰りたくないって思ったらあの世に行ける場所。


それがここ、世界の境界線。


勿論何もなければ今すぐ戻りたいけど、海軍の奴らが動き出そうとしてるんだ。


＿＿それも、俺が戻ったタイミングで。


まぁ海軍だから浦島坂田船に何があったのか知ってておかしくないよね。だからやめとく。


俺が戻る時は、目覚めてすぐに走ったり飛んだり跳ねたり出来るような、つまり健康な状態で戻りたいんだ。


そしたら何かあったらすぐに皆と戦える。


だから、それまでは寝てる。


ただ＿＿戻ったらここの記憶は無くなってしまうから、志麻とAちゃんの事も知らなくなる。


……まぁ、Aちゃんを守ってくれるんだったら、それはそれでいいや。


俺の生きる意味は、彼女を守る事なんだから。


そう思い、また静かに目を閉じる。


＿＿……りぃ君

＿＿大丈夫や


解ってるよ、Aちゃん。


絶対戻るから、安心してね。


そしたら、またいっぱい笑お？


莉犬「だから、それまでは………」




志麻。志麻が守ってあげてね。

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