さぁ、旅立とう。第２章【浦島坂田船】

Travel.79 ページ44

Riinu side.



Carry a Dream 必ず届けるよ

Carry the day 人繋ぎの運命共同体

Carry a Dream 何度も挫けたっていい

Carry forward その度に運ぶよ

Carry forward 世界のどこにいても

絶対見つけるから




何時か、君が口ずさんでいたメロディ。

何となくそれを思い出して目を閉じた。


＿＿貴方は、矛盾を抱えて生きてきた自分に寄り添ってくれた。守ってくれた。


大切な人だって、自分に言って笑ってくれた。


あの子を守る為に必死だった自分を見失って、


苦しくて辛くて泣き叫んだあの日。


君は、ただ黙って傍にいてくれた。


自分に存在意義をくれた。


ねぇ、一つだけ願っていいですか。


一つだけ、君に約束して欲しい事があるから。


＿＿もう１度、もう１度だけ。


皆に、会わせて。


あの６人に会わせて。


貴方達は、運命共同体なんだよね。


＿＿強く願えば、きっと叶う。


そう言って頭を撫でてくれたよね。


人生は甘くいかない、働かざる者食うべからず、なんて良く言うけど、


そんな事より、自由な世界を見させてあげる。


君はそう言って自分を連れ出してくれたよね。


＿＿ありがとう。


俺は我儘とかあまり言わなくて、何時だって誰かを優先させてきた。


そのせいで、誰かが離れていく事も多かった。


でもね、君だけなんだ。


こんなに我儘言って甘えるの。


まだ自分は無力で、何も出来ないけど、


それでも。


少しだけ、前を向いてもいいかな。なんて。


らしくないかもしれないけど、でもね


＿＿うらた、これからも引っ張って下さい。


頑張って付いていきます。





そんな事を心で思いながら、２人でのんびりと朝日が昇る海沿いを歩く。


「うらた」


「ん？」


「……皆に会う為に、頑張る」


「……」


「だから、それ以前にうらたに着いていける様に頑張る」


「……おう。着いてこい」


「こういう時だけ船長ぶらなくていいからw」


「いや言い始めたのお前じゃんwww」


「wwwww」


そうだ、１つ聞きたい事があったんだ。


「ねぇ、この間うらたが歌ってたの何ていう曲？」


「ん？あぁ、あれか。あれはCarry forwardっていう曲」


そして、その意味は＿＿





「前へ、届けるっていう意味」
















「……まさに俺達じゃんw」


「まぁなwww」



あれ、もう旅立つ時間？

早すぎ。でもいいや。


君が傍にいてくれるなら、俺は＿＿＿＿

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