Travel.67 ページ30
うら「莉犬。……俺に対してどう思ってるか教えて」
__高望み、してもいいのかな
していいのならば、もっと、
莉犬「もっと__うらたに甘えたい……」
うら「うん」
莉犬「……高望み、してもいいの?」
うら「いいよ。……ここは、船員全員が自由なんだから」
__昔から、こんな自分が大嫌いだった。
誰かに甘えなきゃ生きていけない自分に、誰かが幸せになって欲しいと思うけど離れないでいて欲しいと思う自分に。そして、
__誰かに、守って欲しいと思う自分に。
莉犬「俺は………」
声が震えた。何故か涙が出てくる。それでも。
莉犬「……俺も、うらたの事が好き」
それでも、伝えたいと思った自分がいたから。
うら「知ってる。解ってたよ、最初から」
莉犬「…うん」
うらたは俺の手を取り、そっと指を絡めた。もう片方の手で涙を拭ってくれると、優しく微笑んで抱き締めてくれた。
うら「……泣いていいよ」
涙を拭ってくれたのに泣いちゃいけないと思っていた本心を見抜いたかの様に言ってくれたその言葉に声を押し殺して、でもその分抱き締める腕と繋いだ手に力を込めて泣いた。
うら「大丈夫……俺がいる」
溢れて来て止まらない感情に任せて彼に甘えた。弱い自分を曝け出して、苦しさも悲しさも全部ひっくるめて。
うら「莉犬」
その後、ある程度落ち着いた所でうらたと少し離れ話しかけられた。
うら「絶対守るから、だから…俺の前だけ弱い莉犬を見せて。他の奴等には見せないで、ずっと傍にいるから。……いい?」
怪しく目を輝かせるうらたに、一瞬ゾクっとした。
莉犬「……うらたもね?」
だけどそれは俺も一緒。もっと彼の事が知りたい。もっと触りたい。同じだった。
__お互い独占欲が強くて、若干病んでる……
それでも構わない。だから離れないで。
そんな想いを乗せて自分から抱き着くとうらたも抱き締め返してくれた。
__高望みし過ぎって言われても、気付いた感情と繋がった想いは取り消せない。
訂正、取り消したくない。
莉犬「…うらた」
うら「ん?」
莉犬「もっと」
うら「……仰せのままに」
うらたが強く抱き締めてきて少し苦しいけどこれでいい。彼がここにいるって感じられるから。
うら「莉犬も」
莉犬「うん」
強く抱きしめ返した。
うら「もっと出来るだろ?」
莉犬「……当たり前」
__苦しい位が丁度いい。
そんな感情に任せて俺は目を閉じたのだった……
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つぎつぐ(プロフ) - NANAさん» よくわけわかんなくなってバカみたいな顔して硬直してます…← (2018年8月20日 20時) (レス) id: 20b40add25 (このIDを非表示/違反報告)
NANA(プロフ) - つぎつぐさん» ただあれ間奏の時にリズムとテンポがズレやすいですよね……(苦笑)(頑張って親友に仕掛けますwww) (2018年8月13日 20時) (レス) id: a68c506ccf (このIDを非表示/違反報告)
つぎつぐ(プロフ) - NANAさん» 猫ふんじゃったは独学で気合で覚えました!!w(頑張ってください!!←) (2018年8月13日 13時) (レス) id: 20b40add25 (このIDを非表示/違反報告)
NANA(プロフ) - 緒音*おのんさん» 猫ふんじゃった弾けるだけ凄いです。最初弾けなかったので……(確かに!よっしゃやったろっ←) (2018年8月12日 12時) (レス) id: a68c506ccf (このIDを非表示/違反報告)
緒音*おのん(プロフ) - NANAさん» サックスもですか!楽器ができるのってものすごくうらやましいです...!わたしなんかピアノで猫ふんじゃったが弾けるくらいですよww(コーラっぽくしたらできそうですね!!←) (2018年8月12日 11時) (レス) id: 1a98ce6b98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:NANA | 作者ホームページ:
作成日時:2018年3月5日 9時