幽霊船で迷子になりました【浦島坂田船】

先輩：第６話 ページ8

『…………そんな事が』


先輩の話を聞いて、ここにいる訳が解った。


A「今じゃセンラとは恋人です。……えへ」


『先輩センラさん大好きって感じしますもん。さっきなんてセンラさんの服掴んでませんでした？』


A「……………バレちゃったか」


『まぁでも先輩が元気そうで良かったですよホント。私は先輩が幸せならそれでいいです』


A「…………ありがとう」


『それに、ここにいる時の先輩……昔とは大違いで楽しそうですもん。学校だと視聴覚室が居場所って感じだったのに今じゃここにいる皆と過ごすのが当たり前って感じ』


A「……うん。ここにいると落ち着く。センラは私の事……よく見てくれて、私の本心を見破って助けてくれて………愛してくれた」


恥ずかしそうに言った先輩を見て私はつい笑ってしまった。


『先輩もちゃんと恋してるんですね』


A「……いや、そう……なの？ていうか真奈ちゃんはどうなの？」


『街じゃ誰も。あいつらくだらない内容ばっかだから』


A「あはは………解らなくはないかも」


セン「A〜？話終わったん？」


A「センラ……ある程度は終わったよ」


セン「なら良かった」


そう言ってセンラさんは先輩の頭を撫でて、先輩は嬉しそうに笑った。


坂田「……いいよなぁ、あーいう関係」


いつの間に隣にいた坂田にそう言われた。


『………解らなくはない、かな』


坂田「だよな………なんつーか、大切な人がこんなに近くにいるって羨ましい」


そう言って坂田は悲しそうに俯いた。


『確かに、解る』


＿＿＿＿でも、その時の坂田の感情にもう少し歩み寄ってあげれたら、あんな風にはならなかったのかもしれない。


坂田「君は俺のモノ、誰にも渡さない＿＿＿」


私が後悔する事になるまで、後５分。

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