幽霊船で迷子になりました【浦島坂田船】

準備：２３話 ページ28

それから学校に通い、私は必死に勉強して受験も終わり、高校生になった。


新しい高校生活は不安で、バイトもやり始めた私にとって色々大変だったけど、それでも「頑張ろう」と思えた。


何とかハロウィンの日は休みを貰えて、仮装は何がいいかなぁと私は考えた。


『……高校生でもTrick or Treatっていけるのかな』


なんて思いながら仮想を買った。


『…………忘れてないかな』


あいつの事だから他の子さらっちゃいそう。


『……………』


急に不安になって、辛くなったけど首を振って思考を変えた。


『きっと、大丈夫』


忘れてないんてない。


『…………』


＿＿覚えてる？


あの時返ってきた気がしたように、そっと心の中で呟く。


＿＿……


返答は無かった。


『…………』


こみ上げて来そうになる涙を振り払い、当日に備えて準備をした。


＿＿きっと、大丈夫。あいつは絶対覚えてる


そう思って私は当日に備えて準備を進めた。









うらたside


坂田「うらさーん、もうすぐハロウィンだけど今年は誰にするの？」


うら「ん？あー……誰がいいかな」


志麻「生脚の子で」


セン「志麻君それ普通にセクハラ発言や」


A「……今年はうらた１人の方がいいよ。決めるのもうらたに任せよう」


うら「！」


俺はAを見ると、Aは意味ありげに笑みをこちらに向けてくれた。


坂田「………ま、それもそうだな」


志麻「生脚…」


セン「じゃあうらたんに任せるという事で」


うら「………おう」


その後、各部屋に戻ったんだけど……


うら「………あいつ、覚えてるかな」


そっとペロペロキャンディを取り出すと、俺は見つめた。


うら「……」


あの時、あいつが気絶した時にあいつのポーチから抜き取ったのだ。


うら「忘れてないといいけど」


……それに、返事もまだだから。


うら「…………」


暗い思考を振り切り、今は当日に備えて準備をしようと思った。


＿＿忘れてねぇよな


そう、心の中で呟いた。

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