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一人の撮影 ページ38




「Aちゃんいいよ〜!もうちょい寄せてみよっか!」
「こうですか……?」
「そうそう!あ、腕はこっちね」
「はい……」

今日は水着での撮影。つまり一人。もちろん同性のマネージャーさんはいてくれるけど、連絡事項とかもあるから常に一緒っていう訳では無い。

最近知った話だけど、こういう布面積が狭い系の撮影はメンバーみんなから撮影側に対して「これだけはやめてくださいリスト」みたいなのが渡されているらしい。それは私のメンタルを守るために作られたみたいで、マネージャーさんが教えてくれた。

撮影側の方達も良い人だから「Aちゃんにそんなことさせられません!もちろん守ります!」って言ってくださる方がほとんど。っていうか全員。だけど今日はちょっと違った。

まずカメラマンさんがやたらと触れてくる。背筋がゾクッとするくらいには。

「Aちゃんすっごくいいよ!セクシーだね〜。世の男性達がこれで抜 くのも分かるなぁ」

下っぽいワードも禁止。私ももう子どもじゃないからそういうワードは大体分かる。今のも間違いなくそうだった。うわ、やだな。

「あれ〜笑顔消えてきたよ!笑って笑って!ほら可愛い〜!ニコニコして!」
「は、はい……」

笑顔、と頬をつんつんされた。もうダメだ。気持ち悪い。思わず吐きそうになるのを堪えて気合いで撮影を乗り切った。

終わって速攻でスタジオを出て、バスローブを羽織ってマネージャーさんの元に駆け寄った。

「Aちゃんどうした!?泣きそうな顔してるけど……もしかして……」
「やだった……っ、なんであの人触ってくるの……」
「ちゃんと忠告しといたのに……ごめんね、あとはこっちでなんとかするから着替えておいで」
「うん……」

控え室に入るのを見送ってから、撮影側のスタッフさん達の元へ走って行ってくれた。
一人になったら涙が止まらなかった。確かに格好が格好だからそういう風に言われたって、触られたって仕方が無いかもしれない。でもそういう風に見せる為に撮って貰ってるわけじゃない。着てるものがどれだけ魅力的に伝わるかを私を通して知って欲しかった。欲の捌け口にされるためじゃない。

「Aちゃん、大丈夫?出れる?」
「うん……っ、出れる……ごめんなさい」

マネージャーさん曰く、カメラマンはそんなつもりじゃなかったと言っていたらしい。それを聞いてもっと辛くなった。

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設定タグ:SnowMan , 宮舘涼太 , 阿部亮平   
作品ジャンル:恋愛
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p@n@(プロフ) - 美香さん» コメントありがとうございます(^-^)!書き溜めて放出出来るように頑張ります!!お待ち頂けたら嬉しいです〜! (6月4日 22時) (レス) id: 82332159e0 (このIDを非表示/違反報告)
美香(プロフ) - このお話面白かったです!もし時間などありましたら、番外編などで良いので子供が大きくなっての話やメンバーの様子など見てみたいです (6月4日 22時) (レス) @page50 id: 3caaff748d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:p@n@ | 作成日時:2023年5月18日 23時

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