熱帯魚。 ページ2
僕は死ぬかと思った。だって、水中にいたから。え?しかも魚??
どうやら僕は綺麗な魚になったようだ。前世が嘘のようだ。熱帯魚なんて、サンゴ礁なんて。前世僕はカナヅチ(泳げない)だったのも嘘のようだね。
エメラルドグリーンが混じった透き通った青色の海。色鮮やかな他の魚達。なんか話声が聞こえてくる…
『なぁなぁ聞いたか?最近ニンゲンが入って来るらしいぜ、向こうの方。』
『えぇ?ニンゲン?害悪でしかないと思うなぁ。』
『俺も俺も、だってこの海「守ってやる」とか上から目線だし、それで周りからえらいとかいい会社ばっか言われて。他のにはニンゲン達は「守ってる」って言ったり言われたりでちやほやされちゃってさ!』
…わかんない?ゆっくり脳内で繰り返しても理解が難しい。魚になって脳みそが小さくなったから?
考えていると向こうから一匹の魚、仲間がやって来て声をかけられた。
『おいA、聞いたか?向こうの辺りでニンゲンがたくさん現れたって。こっちに来そうで怖いよなぁ。』
「…?なんで怖いの?」
『だって、捕まえられたり、踏まれそうになったりするんだぞ!?それで売られるとかっていうのもあるんだって。何より、時々濁って苦しくなるのも、ニンゲン達のせいなんだぞ?』
恐らく大気汚染とか、海水浴の客だったりが怖いということかな…?
うぅん、いきなりすぎてよくわからない。とりあえずなんて返事を…
「ふーん…それはこわいね。ここに来ると思うなぁ。僕は。」
『!?、それってことはもうそろそろ平和だったここにもお別れをいわなきゃかな…』
「なんで?」
『引っ越すんだ。こっからどこか安全な地帯にな。Aも来いよ。』
どうしよう?とりあえずついてこうかな、この世界を知るにも、行かなきゃかな。
「わかったよ、ついていく。」
それで、しばらく泳いでいって。
河口辺りか、少し塩のしょっぱさ…?が無くなってきた。
『うーん、ここまで来れば安心かな。じゃあここで暮らそうぜ!!』
「まってよ、ここには僕達のご飯の苔がないじゃないか、それに…」
『あっ、A!!後ろ…』
「え…」
突然、目の前が暗くなって、自分の体が粉々に砕かれたのが分かった。
____なんか、でかい魚に食べられたみたいだね。
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作者名:蛍灯 | 作成日時:2019年5月24日 14時