さっさと帰ってください ページ19
、
入間「杞憂だったか・・・」
『・・・・?なんの話だ?終わったんなら他のところへ行ってくれ。爆弾の処理も頼む』
口から低音を出すのは不得意ではない。
もともと喉を少し痛めつけさえすれば、がさついた男性の声が出る喉仏だった。
入間「・・・・・・・」
『・・・・・・・』
根っこから男に染まっているつもりだが、果たして彼にはどう見えているのか。
私の経験と彼の経験がぶつかる。
それは見破る警察と嘘をつくピエロのにらみ合いだった。
お互いの経験の差だろうか。この争いは数秒続いた。
どちらが勝つかなんて、どちらかに鋭い直感か運がないかぎり分からない。
、
、
、
入間「・・・・・
この男を連れていきます」
スゥーと息の動きが聞こえたと思いきや、今度は周りの空気が揺れ出した。
私自身も波をうち始める。
『なぜだ?俺の手荷物は財布ぐらいだ。なんも怪しいものなんて持ってないじゃねーか』
入間「逆にそれが怪しいんですよ。なぜ財布ひとつだけを持ってオオサカからトウキョウまで?仕事や旅行にしては"荷物が少なすぎ"ではありませんか?」
私がオオサカから来たってどうやって・・・・
ああ、椅子に置いていた切符を見られていたか・・・
彼の洞察力は侮れないな。
『確かにそう考えれば怪しいかもしれないが、そういった変わりもんなら他にもいるんじゃねぇか?』
入間「私の勘がなぜかあなたにだけ働くんですよ・・・
ご同行願えますか?」
彼の鋭い光線が、私の目から脳の奥へと差し入ってくる。
私はそれを軽く睨み、プロの勘というものを心の底から恨んだ。
『どうせ頷かなくとも連れていくくせにっ・・・!』ボソッ
、
327人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
海凛(プロフ) - ヤンデレ最高ですっ!!!更新、気長に待ってますね!頑張って下さい! (2021年11月5日 0時) (レス) @page44 id: 486e41b9fc (このIDを非表示/違反報告)
ジャムったチャカ - ヤンデレ最高っス、これからも応援します!! (2021年8月22日 5時) (レス) id: f413eaa44e (このIDを非表示/違反報告)
リムタ - コメ失礼します!ヤンデレ良いですよね…。頑張ってくださいね! (2021年8月21日 13時) (レス) id: a77b426d03 (このIDを非表示/違反報告)
なみ(プロフ) - ななさん» きゃっ、初コメだ!ありがとうございます!亀更新ですが、がんばります! (2021年8月19日 15時) (レス) id: 617d92d894 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 更新ありがとうございます!いつも楽しく拝見させてもらっています。これからも頑張ってください! (2021年8月15日 18時) (レス) id: 13fb35f6a5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:真灯 | 作成日時:2021年7月24日 20時