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「姉ちゃん!」
呼ばれて我に返る。気がつけば、一郎が私の前に座って心配そうに覗いていた。
「いちろ…」
「悪い、遅くなって」
そう言って私の頭を撫でる一郎に頭を横に振る。その手のひらに安心を、あのヒーローのような登場に笑いをそれぞれ感じて、変な気持ちになった。
動くなよ、と空却くんに言われ縄を切ってもらう。手首には赤いアザができてしまっていた。
「赤くなっちまってんな。家帰ったら冷やせよ」
「うん、空却くんありがとう。…にしても、ずいぶん早かったね」
だいぶ落ち着いた私がそう言うと、2人そろって早…?と首を傾げた。
「…まあ、そんな早かったとは思わねえけど、ここにちゃんとすぐに来れたのは空却のおかげだぜ」
一郎が視線で空却くんを指す。少し照れたように話す一郎と何でもないような顔をした空却くん。2人を交互に見比べた。
「拙僧も偶然だわ。百舌九の野郎が目ェつけてた奴がAの職場のあたりうろついてたからよ。ちょいと調べてただけだわ。んな早く動き出すとは思わなかったけどよ。…ま、ダチにも頼まれたしな」
空却くんが二ッと口角を上げ楽しそうに笑う。それに一郎がうっせ、と少し口を尖らせた。
…それにしても、文書店にそんな奴らがうろついていたのか。全く気付かなかった。なんて考え込んでいると、突然肩に重みを感じた。
「……いちろ?」
「っはあ…、姉ちゃんが無事でよかった…。…姉ちゃんに何かあったら、俺、どうしようかと…」
肩にグリグリと一郎の頭が押し付けられる。なんだか、久しぶりの感覚だった。
そっと一郎の頭に手を伸ばす。そのまま撫でると、一瞬ピクリと反応してそのまま動かなかった。
「―――……」
空却くんはそんな私たちを見て表情を消しなにか真剣に考えているようだった。
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りんご - 滅茶苦茶面白いです...!今更ながら、更新待っています! (3月30日 11時) (レス) @page19 id: 76f76e1010 (このIDを非表示/違反報告)
ぱい - 面白すぎ!話にスルッと入れる神作品!更新待ってます! (2022年6月23日 20時) (レス) @page19 id: 0c35d3b667 (このIDを非表示/違反報告)
月宮 朔(プロフ) - 悠希さん» ありがとうございます!い一気読みお疲れ様です…!いやぁ、お兄ちゃんしてる一郎くんを公式で見てると、つい甘やかしたい欲が働いて可愛くなっちゃうんですよね…()これからも頑張ります!! (2021年8月14日 9時) (レス) id: 9e4a60ca3b (このIDを非表示/違反報告)
悠希(プロフ) - 今日この作品見つけて一気読みしましたw一郎くんめちゃ可愛いです!これからも更新頑張ってください!応援してます! (2021年8月13日 22時) (レス) id: 84d16d7788 (このIDを非表示/違反報告)
月宮 朔 - Reiさん» ありがとうございます!Rei様には何度もコメントをいただき、私もう超感激です…!これからも頑張ります、ありがとうございます!(非ログ垢から失礼いたします) (2021年8月12日 20時) (レス) id: 40534f6bdf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月宮 朔 | 作成日時:2021年8月12日 17時