58.蒼、碧、青。 ページ14
迎えた文化祭当日。2年3組が開いたBARのぶりんは朝からたくさんのお客さんが訪れ、大盛況だ。
男装したAもまた、教室の真ん中で慌ただしく動いている。ドリンクを作りながら、Aは室内を動き回る明智を見つめていた。
髪は金色のウィッグを付けてアップヘアに、メイクで華やかになったその整った顔が、ピンクのドレスに映えている。
｢……ウチに欲しいかも｣
｢コラやめなさい｣
小さく呟いたAに、隣に立つ田中先生は勢いよく突っ込んだ。
“ウチ”とは、Aのバイトしている『BARジャスミン』の事である。
｢だってキャリーも上手いし、対応も上手いから。即戦力じゃないですか｣
Aの言葉に田中先生は、確かにな、と頷く。
明智──もとい明智子はドリンクを運ぶ姿も様になっており、ソツがない。加えて接客も明るく、少々面倒な客を怒らせることなく対応しており、あしらいも上手い。
｢……女装のまま働いてくれないかな｣
｢だからやめなさいってば｣
懲りずに呟いたAに再び田中先生が突っ込む。
｢そもそもウチはバイト禁止。それにどうなんだ、彼氏に女装頼むって｣
｢え？｣
｢え？｣
田中先生の言葉にAは首を傾げて、聞き返す。
彼もまた首を傾げた。
｢私、明智と付き合ってませんけど……｣
｢え？！そうなの？！｣
田中先生はこれでもかというほど、目を見開いた。
｢てっきり付き合ってると思ってた｣
｢ないです、付き合ってないです。何でそうなるんですか｣
眉をひそめて問い返したAに、田中先生はいやあ、と腕を組んだ。
｢あんな熱烈なハグ見せつけられたらなあ｣
その言葉にカッとAの顔が赤くなる。
｢あれは！あれは、｣
──泣きながら駆け寄って、力一杯抱きしめた。
その時の温もりも何もかもを思い出してしまって、Aは恥ずかしさに顔を覆った。
二人きりならまだしも、クラス全員に見られていたと思うと恥ずかしくて堪らない。
｢ほんとに忘れてください……｣
｢ははは、いいんじゃないか高校生。青春だろ。告白しないのか？｣
｢ほんとにやめてください、からかわないで｣
Aが頭を抱えた時、教室の扉が開かれた。
続く (更新停止中)
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れ - 面白いから更新されないの悲しいです (2022年5月13日 0時) (
レス) id: 36b0096a5e (このIDを非表示/違反報告)
Mirai(プロフ) - もう更新されないのでしょうか？ (2019年10月4日 14時) (レス) id: 0ee5b43c16 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 涼宮美桜さん» こちらにもコメントありがとうございます〜！頑張ります！ (2019年8月2日 12時) (レス) id: f75a474b38 (このIDを非表示/違反報告)
涼宮美桜 - 続編、おめでとうございます！！これからも更新頑張ってください！！応援してます！！！ (2019年8月1日 19時) (レス) id: 67fa9efd8d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はな x他1人 | 作成日時：2019年7月30日 13時
