◎ ページ49
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コンテストも終わり、大学祭への準備も着々と進んでいく。
演奏も形になってきて、改めて楽しさを感じる。
練習後、安井先輩に好きな曲、歌っていいよって言われて
何にしようかな、って考えながらiPodの曲を聴く
ふと、流れてきたこの曲
〜♩
校舎の隅に、ひまわりが咲く
照れてばかりじゃ、かっこ悪いね
青空に今 叫びたいほど 君を想ってる
夏合宿の時は、これがいいなって思ってたけど
もう秋だし、、、時期外れだなぁ。
柄にもなく、こんなキラキラした曲を選んじゃうくらい
萩谷くんのこと、好きだったんだな。
付き合い始めて、2ヶ月が経とうとするけど
お互い忙しいのもあり、大した進展もない。
けど、好きって気持ちだけは大きくなって。
……こんなこと絶対、本人に言えないけど。
萩谷 「A？曲、決まったの？」
「ううん、まだ…。」
みんな帰ったみたいで、2人だけの空間。
そんなの久しぶりで、へんに意識してしまう
萩谷 「そっか。そういえばさ、合宿のときSUMMER SONGの楽譜もってたじゃん？あれってAが選んだんでしょ？」
「え、あっ、うん」
萩谷 「なんか、キラキラしてていい曲だね」
そう言いながらギターを手にして演奏し出す彼
黙って聞いていると「歌ってよ」って。
なんだか恥ずかしくて 遠慮がちに、口ずさむ。
ひと夏の思い出がどんどん蘇ってくる
萩谷くんや、みんなと出会って、悲しかったり、苦しかったり、嬉しかったり、楽しかったり、たくさん笑ったり。
今も、切なさともどかしい気持ちでいっぱいで。
声が詰まる。
「……………。」
いつからこんなに弱くなったんだろう。
弾くのをやめて、ギターを元の場所に戻すと
萩谷 「おいで」
素直に彼の隣に座る。
−−−照れてばかりじゃ、かっこ悪いね
「…なんかね、萩谷くんのこと想ってたら、この曲選んじゃってたの。夏ってあんまり好きじゃなかったけど、近くに萩谷くんがいたら、今年の夏は好きでいられた」
「付き合えてほんとにうれしいんだけど…どんどんどんどん好きになっちゃって、欲張りになっちゃって…」
「もっと一緒にいたいし、触れたいし、触れられたいって思っちゃって、ひ、引いちゃうよね、20歳越えてるのにこんなこと言って」
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作者名：きい | 作成日時：2017年7月16日 23時
