summer song . (ページ9)

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顕嵐「そ、こことここを押さえて」

いつの間にか敬語がなくなってる顕嵐くん。

あれ？私もいつの間に顕嵐くんって呼んでるんだろう？

「こ、こう？」

顕嵐「ん？」

背は小さくないけど、なぜか手は小さめな私にはなかなか難しくて。

顕嵐「こうするの」

後ろから腕を回して
手を取って、教えてくれる。

こういうのに免疫がない私は
尋常じゃないくらい緊張して
ぎこちない動きになってしまう。

顕嵐「ねぇ、先輩、彼氏いないの？」

「い、いないですけど…」

顕嵐「そうなんだ。なんか男慣れしてなさそうだね。」

心拍数が伝わったのか、ぎこちなさからか、

サラッと、本当のことを言われ

なんだか悔しくて恥ずかしくて黙ったまま俯く。

いや、でもこんな美少年に
こんなことされたら、みんなこうなるよね？！
と開き直ってみる。

顕嵐「なんか、いい匂いする。」

と、首もとに顔を埋める。

好きじゃなくてもこんなことされると
心拍数が上がりまくって、私の脳は思考停止寸前。

「お、お昼に、焼肉屋行ったから！！」

とっさに出た言葉は、
なんとも女の子らしさがない言葉で。

ほんとは、焼肉屋にランチに行ったあと、
匂いを消すためにボディースプレーをかけたからかな？って言いたかったんだけど…

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