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萩谷 「は？泣いてんの？」
まじまじと私の顔を見てくる
化粧もしてなくて、絶対やばい顔してる…
見られたくなくて、壁側に顔を向けて隠す。
すると、萩谷くんの腕が回ってきて
後ろから抱きしめられる。
ふわっといい香りがした
「お、お風呂もはいってないし、離れてよ！！それに遥ちゃんのこと好きなくせになんでこんなことするの？！」
萩谷 「おれ、遥ちゃんのこと好きとか一言もいってないけど？」
「へっ？」
私の間抜けな声に笑いながら
萩谷 「なに嫉妬したの？」
「違うけど…！遥ちゃんのこと可愛いって、言ったじゃん」
萩谷 「あ〜〜、妹みたいでね。好きっていうのとは違うし」
なんて涼しい顔をして言う。
…ちょっとホッとしてる私もいて。
萩谷 「シャワー浴びんの？」
「だから、出ていってください」
萩谷 「脱がしてあげよっか？」
「自分で、できます…っ」
抱きしめられたまま耳元で囁かれて
動揺しないようにしていたはずなのに
どんどん体温があがっていってしまう。
萩谷 「こっち向いて」
優しいトーンで言われ
無理矢理、前を向かされる
伸びてくる彼の腕。
これ以上、優しく触れられたら
萩谷くんのことを、本気で好きになってしまうと思った。
冷たかったり、こんな風に抱きしめてきたり、優しくなったり、掴めない萩谷くんのことを、好きになるのが怖くて
「これ以上、触んないで…」
思い切り突き放してしまった。
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作者名：きい | 作成日時：2017年7月16日 23時
