◎ ページ20
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シーーーンとして気まずい空気の中
萩谷 「なに、見せつけにきたの？」
「…違う。ちゃんと練習してたから」
萩谷 「じゃあ、弾いてみてよ」
震える手を鍵盤に置いて、
北斗くんに教えてもらった通りに弾く。
萩谷 「ちがう、ここはこうすんの」
萩谷くんの手が伸びてきて、私の指に触れる。
ビクッと明らかに反応してしまう私の手
萩谷 「……なんで、髪切ったの？」
まさかの質問に、一瞬なんでだっけ？となる
「萩谷くんに、バカにされて悔しくて。彼氏でも作って見返してやろうと思ったから、、髪切ったり、いろいろしてみたんだけど、だめだったね」
本人の前でこんなこと言わないといけない悔しさと、前と何も変わってない自分が悔しくて、涙をこらえながら、
でも泣きそうなことを知られたくなくて、精いっぱいの低い声で伝える。
萩谷 「……いいんじゃない。前より可愛くなった。」
なんていつもより優しいトーンで言われるから、調子が狂いそうになる。
「べ、別に嬉しくないから」
また可愛くないことを言ってしまう。
萩谷 「そんなタコみたいになって、言われてもね。」
「…タコ、タコやめてもらっていいですか…」
萩谷 「本番、間違えないようにしっかり練習しといて」
と、またいつもの調子に戻って
自分の向かっていたパソコンに戻る萩谷くん。
……私も、練習しようと思い、ヘッドホンを付けた。
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作者名：きい | 作成日時：2017年7月16日 23時
