【戦術行進曲】:01 ページ2
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───…あれから幾度の放課後が過ぎる｡目まぐるしく時が経つのが早く､正直言えば赤間君との対戦のことすら忘れていて､新聞部の記事を見てからやっと思い出した｡
いつ…こんな情報をつかんだのだ離宮さんよ｡
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｢…うわぁ…｣
ドッと汗が流れる｡今回模擬戦が行われるのは辺りを四方に囲まれた中庭で､中等部の生徒さんまで来ていたためごった返していた｡
赤間君…人気あるもんね｡
｢思った以上に観客が一杯だね｣
｢本当だよ｣
赤間君は鎌を持ちながら方を軽く叩く｡たいした私は手ぶらに等しい…笛は持ってるけど｡
｢じゃあ二人の審判はオイラがするりゅい｣
｢よろしくねセンセー｣
赤間君の台詞のあとに｢試合開始まで残り30妙｣…と､端末から聞こえた機械音｡
結界が張られてから私たち3人しかいない…｡
互いに向き合いながら息を飲み込んで構えた｡
構えは…零だ｡
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｢試合､開始｣
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ブォンッと音が鳴り響き､互いに正面から衝突｡
赤間君の振り上げた鎌を右足の脚力だけで避ける｡宙を浮いた状態からその勢いを殺すことなくグルングルングルンッと三回転｡
落下をいかした殺し技｡
｢だらぁッ!!｣
ガキンッ…!
鈍い金属音が鳴り響くと､振り上げた鎌によって体を飛ばされた｡
だがそれは私の計算通りで､校舎の壁を利用してからそのまま一気に駆け抜ける｡
間合い零に向けて｡
｢とらせないよ?｣
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バリンッと響いた音は2つ｡赤間君からクリスタルを1つ壊されて…赤間君のクリスタルを1つ壊した｡
交差際の奪刀術｡
私のクリスタルを壊したのを確認してから"その手"を返して赤間君のクリスタルを壊させてもらった｡
驚いた風からやがてはニヤリと笑い距離をとる｡
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｢…へぇ…そんな戦い方があったんだね｣
｢うははは!…ビックリした?｣
｢予想外だよ｡自分のクリスタルを犠牲にして攻撃を仕掛ける…いや違うね｡最低限の犠牲での攻撃か｡肉を切らせて骨を断つ…と言うところかな?｣
｢ご明察だ｣
｢自然体の構えじゃあどうやって攻撃するかわからないしね｣
｢そこまで読まれてたのか｣
久しぶりに本気の本気を出すのもいいだろう｡面白い…｡
戦い方のイメージはつかんだ｡あとは｡
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｢やるだけだ｣
わずかな振動でクリスタルを守り､真剣白羽取りで刃をとらえる｡しかしそれを見越してだろう…柄を使ってから体を宙に浮かせた赤間君の足がクリスタルを狙ってくる｡
咄嗟に後退をしたがクリスタルを1つ破壊された｡
残り1つ｡
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｢さあ…もう後がないよ?シグナルイエローさん?｣
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ラッキーアイテム
革ベルト
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作者名：何て暑さなんだ
| 作成日時：2014年7月26日 14時
