２７回 ページ28
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それから打ち解けたように雑談を交えながら2人で歩いた。
私の家はすぐ近くだ。
『ここまででいいよ。後は1人でも安全でしょ。』
そう言ってサイタマの手を離す。
今日は色々連れ回してしまったし、早く帰りたいだろうから。
当の私自身は何故か離れ難いような、不思議な感覚があるけど…。
｢いや最後まで送る。｣
サイタマは離れたはずの手を取りそう言った。
何となくそう言ってくれる気がしてたけど、実際言われると何だかむず痒い。
『…そう。』
いつもの私なら強がって拒否するのに、何でか素直になってしまう。
｢寒くないか？｣
外に出てからサイタマは私に気を使ってくれるばかりだ。
車が来たら庇うように動いてくれるし、歩幅も合わせてくれる。
『…サイタマって案外モテる？』
｢なんだよ急に。てか案外って言うな。｣
私の言葉に対して不満そうに答える。
聞きたいのはそういうのじゃないんだけど…
質問の答えを待つように黙ってサイタマを見つめた。
｢…なんだよその目は。…はぁ。
残念ながらモテねぇよ、悪かったな。｣
圧に負けたのか、ため息混じりに答えるサイタマ。
その言葉に何故かほっとする自分がいる。
｢ほら、着いたぞ。こんなこと聞かれるなら途中で1人にさせときゃ良かった。｣
何やら文句が聞こえるが、今は無視しておこう。
私はここ数日の出来事でまだ高揚感が治まらない。
『…あの、なんていうか』
伝えたい言葉があるのに上手く口に出ない。
家に着いたのに手を繋いだまま、俯く。
｢…。｣
サイタマは黙って私の言葉を聞いているようだった。
どうしてこういう時に限って空気を読んでくれるんだろう。
『その、…楽しかった。』
1番言いたい[ありがとう]の言葉が出ず、そのまま手を離す。
高くなる心拍数に気づかないでほしい。
｢…おう。またしような、デート。｣
まるで本当の恋人みたいなセリフにいちいち過敏な反応をしてしまう。
手が震えて仕方ない。さっき離しておいてよかった。
『こんなのまだデートって言えないから。』
｢基準がわかんねぇよ。｣
もう次のデートの事を考えてしまう私がいる。
サイタマといると今までに無い体験が常に味わえる。
怖い事ももちろんあるけど、それ以上に好奇心でワクワクが止まらない。
抑えられない高揚感でさようならが言えない。
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続く (更新停止中)
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ぬう(プロフ) - 尊き (7月12日 15時) (
レス) @page28 id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 本当にすごすぎます！いままで見てきた作品の中で1番好きです。更新頑張って下さい！ (2023年4月10日 0時) (レス) id: d09a02bb23 (このIDを非表示/違反報告)
桜もちち(プロフ) - 可愛い(ﾉ≧▽≦)ﾉ 更新頑張ってください！ (2023年1月29日 2時) (レス) @page28 id: e3d83c89b4 (このIDを非表示/違反報告)
エトワル(プロフ) - ふぃあろさん» 光栄ですありがとうございます(;_;)更新頑張ります〜❕ (2022年12月14日 16時) (レス) id: 0580717352 (このIDを非表示/違反報告)
ふぃあろ(プロフ) - なんですかこれめちゃくちゃ面白いです無理です尊い……。神作品ですねこれは！！！！更新頑張ってください！！！✊ (2022年12月13日 20時) (レス) @page25 id: 91505f2211 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エトワル | 作成日時：2022年12月4日 9時
