期待の時間 ページ44
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寺坂くんに頭を撫でられ、視界がグラつく。
イトナくんと違って、力強く、動きが不規則だ。
『う、寺…坂くん…』
その光景を見ていたイトナくんが口を開く。
「おい寺坂。やめろ。」
すると大きな手が離れ、余韻が残ったように視界が歪む。
「なんだよイトナ。褒めてやってるんだよ。」
「お前は手加減を覚えるべきだ。」
そう言いながらイトナくんは、ボサボサになった私の髪を優しく解いてくれた。
『あ、えっと…ありがとうございました…。おかげで上手く修復出来ました。
イトナくんも。髪、ありがとう…ございます。』
「これでも潰さねーように気を付けたつもりだけどなー…。」
寺坂くんはそう言いながら自分の席に戻って行った。
男性ってそんなに力強いんだ。
…本当に1歩間違えれば潰されそうだった。
イトナくんは私の頭を撫でてくることが多いけど、
…それは手加減しながら撫ででくれてたって事なのかな。
…あれ、
『あの…イトナくん、もしかして私の事、子供扱いしてます…？』
そう言って横目で表情を伺う。
「…。」
無表情のイトナくんと目が合った。
…え、無言ってことは、
本当に今まで、子供扱いしてたのかな。
ちょっと傷付くかも…
「…。
子供と思ってたらあの時抱き締めたりしない。」
イトナくんはそう言うと、変わらず無表情で制服を受け取った。
『…！！』
イトナくんの言葉をゆっくり噛み砕く
どういう事か理解が追いつかない。
…子供扱いされてないのは分かったけど。
それって…それって……？
私は顔を隠すように針と糸を片付けるフリをした。
すると中村さんから声をかけられる。
「Aちゃん、もしかしてイトナの服直してたの！？
女子力高！！もしかして花嫁修行！？」
それを聞き付けた周辺の人達もいつも通り会話に混ざる。
イトナくんは面倒くさそうに制服を枕にして寝てしまった。
…今回ばかりは冷やかし集団に助けられた気がする。
『や…えっと…これは寺坂くんに教えて貰って…』
「おい寺坂！！お前も立派なお嫁さんになれるなー！」
「誰がお嫁さんだ！！！」
いつもの光景に笑みが出る。
それと裏腹に、イトナくんの言葉がまだ引っかかっている自分がいた。
…期待しすぎかな。まず、なんの期待だろう。
自意識過剰になってる自分を律する為、両手で強く頬をつねった。
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瑠璃 - 続きまってます。 (8月3日 1時) (
レス) @page46 id: c299acdaed (このIDを非表示/違反報告)
Runa☻ - 続き気になる……！！！！少しでも良いので続き描いて欲しいです！！！！？お願いしますm(_ _)m！！！ (2022年9月24日 18時) (レス) @page46 id: e8de5457df (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - 続きが無いのは悲しいです。また続いて欲しいです！(´・ω・｀) (2021年12月31日 9時) (レス) @page46 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
エトワル(プロフ) - 読者の皆様、沢山のコメントありがとうございます！ なかなか返信ができない中、せめてのお詫びとして、リクエストをコメントにて受け付けます！良さげな内容でしたら番外編等の参考にさせて頂きたいです！(全てを取り入れられる訳では無いのでご了承ください;;) (2021年5月30日 1時) (レス) id: 0580717352 (このIDを非表示/違反報告)
ころころ - すっごい今更だけど、面白いのに此処で終わるのはもったいないと思うし私自身続きを作って欲しい所です。 (2020年4月25日 18時) (レス) id: b025342a77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エトワル（元はるる） | 作成日時：2018年7月8日 14時
