裁縫の時間 ページ43
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授業が終わり、裁縫セットを借りるために席から立つ。
途端に腕を掴まれる。
「おい。どこに行くんだ」
私の腕を掴んだのはイトナくんのようだった。
『あ、その、イトナくんの制服…。ガラスの破片で切れちゃってるみたいで…。
ごめんなさい。あの、裁縫セットを借りてこようと思って…。』
言われてから気付いたのか、制服を持ち確認する仕草をとる。
すると少し悩んだ表情で口を開いた。
「…いや、俺も行く。また何かあるかもしれないだろ。」
心配までかけてしまっているみたいだ…。
確かに、今日は大会の前日という事もあり、教室には少しピリついた空気が流れている。
多分…
イトナくんが私を守ってくれるのも、きっと今日で最後…。
『……はい。お願いします。』
私の腕を掴む手に"触れたい"と思ってしまう。
その手に巻かれた包帯には薄く血が滲んでいる。
血が滲んだ包帯も、ハンカチも、触れるのが嫌だなんて思わない…。
イトナくんは返事を聞くと、私の腕から手を離し、立ち上がった。
『…。』
さっきまでの熱さが直ぐに冷めるのに気付いた。
…熱でもあるのかな。最近イトナくんと居るとどうもおかしい。
殺せんせーに裁縫セットを借り、席に戻った。
『えっと…とりあえず…。』
糸と針を取り出し、授業で習った方法を必死に思い出す。
家庭科の授業ってこういう時に役立つんだ…。しっかり聞いておくべきだな…。
イトナくんの上着を預かり、ミスがないように縫っていく。
「……。」
隣からの視線が気になってしょうがない。
すると通りかかった寺坂くんから声をかけられる。
「おい、そこはもう少し距離近めに縫う方がいいぞ。」
そういえば寺坂くん、家庭科に力入れてた様な気がする。
『…え、そ、そうなんですか？
んー…。』
「だからちげーって！3ミリくらいでって習っただろ！」
寺坂くん凄い…数字まで覚えてなかった…。
それにしてもスパルタが過ぎる…
『あ、わ、わかりました…！』
泣き寝入りしそうなのを必死に押さえて、言われた通りにこなしていく。
『……
で、出来た…！！』
たった3センチ程度の穴を修復し終わった私は、制服を掲げて、寺坂くんの方を向いた
「おう。やれば出来るじゃねーか。」
そう言うと寺坂くんは大きな手で私の頭をわしゃわしゃと撫でた。
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瑠璃 - 続きまってます。 (8月3日 1時) (
レス) @page46 id: c299acdaed (このIDを非表示/違反報告)
Runa☻ - 続き気になる……！！！！少しでも良いので続き描いて欲しいです！！！！？お願いしますm(_ _)m！！！ (2022年9月24日 18時) (レス) @page46 id: e8de5457df (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - 続きが無いのは悲しいです。また続いて欲しいです！(´・ω・｀) (2021年12月31日 9時) (レス) @page46 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
エトワル(プロフ) - 読者の皆様、沢山のコメントありがとうございます！ なかなか返信ができない中、せめてのお詫びとして、リクエストをコメントにて受け付けます！良さげな内容でしたら番外編等の参考にさせて頂きたいです！(全てを取り入れられる訳では無いのでご了承ください;;) (2021年5月30日 1時) (レス) id: 0580717352 (このIDを非表示/違反報告)
ころころ - すっごい今更だけど、面白いのに此処で終わるのはもったいないと思うし私自身続きを作って欲しい所です。 (2020年4月25日 18時) (レス) id: b025342a77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エトワル（元はるる） | 作成日時：2018年7月8日 14時
