涙の時間 ページ29
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… 人に助けられないと何も出来ないのろまさん。
その言葉に私は何も言い返せず、
ただイトナくんに包まれている状態だった。
本当に、相手の言う通りで…。
イトナくんが居なかったら私は…
イトナくんの腕からそっと離れ、ただ俯く事しか出来なかった。
少し、沈黙が流れる。
｢…。
そんな事ない。｣
イトナくんがふと呟いた。
『…え。』
｢お前は…俺を助けた。だから俺はここに居る。
Aは十分強い。
俺の言葉だけじゃ…それだけじゃ駄目か？｣
イトナくんと目が合う。
俯く事しか出来なかった私を、こんなにも簡単に前に向かせる事が出来る。
イトナくんはなんで…なんで私を…
気付かない内に涙が溢れていた
『…
ありがとう…イトナくん…
……イトナくん。』
私はイトナくんの袖を掴む。
自分の手首を見るとアザになり、震えは止まっていないようだった。
『…イトナくん。』
ただ名前を呼び続けた。
呼ぶ度に、胸が締め付けられて…
でもそれが心地よく感じる。
｢…泣くな。｣
イトナくんは少し困った表情で、私の涙をすくう。
袖を掴む手を振り払おうとはしない。
｢…お前に泣かれると
…どうすればいいのか、その…分からなくなる。｣
不慣れな手つきで、溢れる涙を拭っていく。
『…イトナくん。』
私は懲りず名前を呼び続け、イトナくんの意志とは反対にもっと大粒の涙が流れる。
意地悪したい訳じゃないのに涙が止まらない。
イトナくんの困った顔がボヤけて見えなくなる。
｢…っ
ああ、くそっ…。｣
イトナくんは私の頬から手を離し、後頭部にそっと触れる。
そのまま胸に押し付けられ、視界は暗転した。
｢………今は、これで我慢しろ。｣
そう言って、もう片方の手を腰にまわした。
これって、抱きしめられて…る…？
どうしよう。頭の処理が追いつかない。
さっきまで同じ体勢だった筈なのに…。
さっきとは違って…心臓が痛い。
｢…教えろ。お前を泣き止ませるにはどうすればいいんだ。｣
イトナくんは私を抱きしめたまま、そう尋ねる
『……
もう少し、このままで……』
自分の意思も分からず、勝手に口が動く。
私の両腕は、知らないうちにイトナくんの腰を掴んでいた。
｢…
…わかった。｣
イトナくんはそう言うと、片手で私の頭を優しく撫でた。
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瑠璃 - 続きまってます。 (8月3日 1時) (
レス) @page46 id: c299acdaed (このIDを非表示/違反報告)
Runa☻ - 続き気になる……！！！！少しでも良いので続き描いて欲しいです！！！！？お願いしますm(_ _)m！！！ (2022年9月24日 18時) (レス) @page46 id: e8de5457df (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - 続きが無いのは悲しいです。また続いて欲しいです！(´・ω・｀) (2021年12月31日 9時) (レス) @page46 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
エトワル(プロフ) - 読者の皆様、沢山のコメントありがとうございます！ なかなか返信ができない中、せめてのお詫びとして、リクエストをコメントにて受け付けます！良さげな内容でしたら番外編等の参考にさせて頂きたいです！(全てを取り入れられる訳では無いのでご了承ください;;) (2021年5月30日 1時) (レス) id: 0580717352 (このIDを非表示/違反報告)
ころころ - すっごい今更だけど、面白いのに此処で終わるのはもったいないと思うし私自身続きを作って欲しい所です。 (2020年4月25日 18時) (レス) id: b025342a77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エトワル（元はるる） | 作成日時：2018年7月8日 14時
