作戦の時間 ページ23
･
『……っ。』
｢……。｣
私たちは密着した状態でしばらく見つめあっていた。
いつもの私だったら、あまりの羞恥からすぐに目を逸らすのに
何故か、今はイトナくんから目が逸らせなかった。
全身が熱くなる。
イトナくんの大きな目は、赤くなった私をしっかり捉えていた。
イトナくんは、もう一度私の腰を引き寄せる。
それに合わせて、また距離が縮まる。
イトナくんの息が私の鼻にかかった。
『……っ、
…い、イトナく』
｢おはよー！A！イトナ！
…って、えっ！？！？｣
珍しく早い時間に登校してきた中村さんが、私たちを見て大声をあげた。
『わっ、！？』
私は背中に手紙を隠しながらも、急いでイトナくんから離れる。
｢…。｣
イトナくんは私が隠したものをまだ気にしているようだった。
｢え、えーっと、その…私、邪魔だった？｣
あははー…と中村さんは少し頬を赤くして、そう言った。
『え、いや！ち、ちがいます！これは、その、私が転けそうになって、その…！』
必死に誤解を解こうとする私の腕をイトナくんが掴む。
｢で、何を隠したか聞いてない。｣
｢きゃー！私ってば朝からいい物見れちゃったー！｣
………カオスだ。
中村さんは私の話を聞く状況じゃ無さそう。
イトナくんも冷やかしなんかより私が隠したもので頭がいっぱいみたいだし…。
『あ……えっと…っ
はい！これ…です！』
私はある物をイトナくんの胸に押し付けた。
｢……え。｣
イトナくんはそれを受け取ると、呆気に取られたように動きが止まる。
｢そ、それってまさか…
愛妻弁当！？！？｣
中村さんが再び大声をあげる。
『そ、それじゃあまた教室で…！』
そういって私はその場から逃げ出す。
素直に教室に行く訳もなく、急いで女子トイレに駆け込む。
『はぁ…はぁ…
と、とりあえず…何とかなった…かな…。』
さっき渡したのは、私が作ったイトナくんへのお弁当で
手紙は何とかバックの中に隠す事に成功した。
二人の意識をそのお弁当に向けた間に、逃げ出す。
…我ながらずる賢い作戦だな。
とりあえず何とかなったみたいだけど。
…
『あれ、なんで私、この手紙隠してるんだろう…。』
ふとその事に気付くと、力が抜けたようにストンと便座に座り込んだ。
『…
余計言い出しずらくなったな……。』
はぁぁぁ、と大きなため息と独り言が出た。
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瑠璃 - 続きまってます。 (8月3日 1時) (
レス) @page46 id: c299acdaed (このIDを非表示/違反報告)
Runa☻ - 続き気になる……！！！！少しでも良いので続き描いて欲しいです！！！！？お願いしますm(_ _)m！！！ (2022年9月24日 18時) (レス) @page46 id: e8de5457df (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - 続きが無いのは悲しいです。また続いて欲しいです！(´・ω・｀) (2021年12月31日 9時) (レス) @page46 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
エトワル(プロフ) - 読者の皆様、沢山のコメントありがとうございます！ なかなか返信ができない中、せめてのお詫びとして、リクエストをコメントにて受け付けます！良さげな内容でしたら番外編等の参考にさせて頂きたいです！(全てを取り入れられる訳では無いのでご了承ください;;) (2021年5月30日 1時) (レス) id: 0580717352 (このIDを非表示/違反報告)
ころころ - すっごい今更だけど、面白いのに此処で終わるのはもったいないと思うし私自身続きを作って欲しい所です。 (2020年4月25日 18時) (レス) id: b025342a77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エトワル（元はるる） | 作成日時：2018年7月8日 14時
