揉み合いの時間 ページ22
･
その日はいつも通り練習を終えて、家に帰った。
…
日曜日なんてあっという間に過ぎて、
気付けばいつも通りの月曜日。
私は1人、通学路を歩いていた。
そういえばこの道、イトナくんと手を繋いで歩いたんだっけ…。
『……。』
自然と頬が熱くなる。
こんな調子で昨日はイトナくんの事ばかり考えていた。
そういえば、最後に会った時、イトナくんは…
｢また月曜日。｣と言って私の頭に手を置いたイトナくんが浮かぶ。
『…
今日、どんな顔すればいいんだろう…。』
いつの間にか学校に着いていた。
イトナくんの事を考えているといつもこうだな…。
下駄箱に向かい上履きを取る。
すると、上履きと一緒に1枚の紙が足元に落ちた。
『…？
誰かが間違えて入れたのかな…。』
持ち主が分からないまま紙を拾い、書かれている文章を順に読んでいった。
［名字Aさんへ
初めまして。僕はAさんと同じ学年の、他クラスの男子学生です。
どうしても貴方に伝えたい事があります。
今日の放課後、本校舎の体育館裏で待ってます。］
…一通り読み終える。
慌てて、再度名前を確認する。
『わ、私…宛て…？』
イトナくんに対する煩悩が、この手紙で真っ白になってしまう程、私の脳は混乱していた。
｢A？｣
『！！？』
混乱していた所、後ろから声をかけられる。
反射的に私宛ての手紙を背中に隠してしまった。
『い、イトナくん！？あ、お、おはようございます…！』
声の主はイトナくんだったようだ。
慌てて挨拶する。
｢…おはよう。｣
イトナくんはそう言うと、さっき隠した物を怪しむ様にじーっと私の顔を見つめる。
…冷や汗が止まらない。
『……、』
私はただただ目を合わせないように、不自然なくらい斜め下を見ていた。
｢………。
おい、さっき何か隠しただろ。見せろ。｣
や、やっぱりバレてた…。
イトナくんは私の腕に手を伸ばす。
『えっ、い、いや何も隠してないですよ…！』
私はこんな時にばかり日々鍛えてきた素早さを発揮する。
イトナくんも負けずと背中目掛けて腕を伸ばす。
『わっ……』
もちろん、イトナくんの瞬発力に勝てる訳なく、
私は床の段差に躓き、その場に倒れ込みそうになる。
｢っ…｣
イトナくんは瞬時に私の腰に手を回し、
抱き着かれているような体制になった。
･
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 263人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「暗殺教室」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
瑠璃 - 続きまってます。 (8月3日 1時) (
レス) @page46 id: c299acdaed (このIDを非表示/違反報告)
Runa☻ - 続き気になる……！！！！少しでも良いので続き描いて欲しいです！！！！？お願いしますm(_ _)m！！！ (2022年9月24日 18時) (レス) @page46 id: e8de5457df (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - 続きが無いのは悲しいです。また続いて欲しいです！(´・ω・｀) (2021年12月31日 9時) (レス) @page46 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
エトワル(プロフ) - 読者の皆様、沢山のコメントありがとうございます！ なかなか返信ができない中、せめてのお詫びとして、リクエストをコメントにて受け付けます！良さげな内容でしたら番外編等の参考にさせて頂きたいです！(全てを取り入れられる訳では無いのでご了承ください;;) (2021年5月30日 1時) (レス) id: 0580717352 (このIDを非表示/違反報告)
ころころ - すっごい今更だけど、面白いのに此処で終わるのはもったいないと思うし私自身続きを作って欲しい所です。 (2020年4月25日 18時) (レス) id: b025342a77 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：エトワル（元はるる） | 作成日時：2018年7月8日 14時
