転生したら弱井トト子になっていた件について【おそ松さん】

【第9話】見つかりました ページ10

「もーいいかーい！」
「「まーだだよー！」」
「もーいいかぁーい！」
「「もぉーいいよぉー！！」」





そんな一通りのやり取りをした十四松は、「みつけるぞー！」と意気込みながら探索を開始した。暫くは見つからないだろうし、高みの見物とさせて貰おうか。あ、早速トッティ見つかってる。






(んー、この頃はまだ普通かなー)






慌てて逃げるトッティを一生懸命に追いかける十四松。そこには“おそ松さん”での彼のアイデンティティである“明るい狂人”は無かった。普通に覚醒していないのか、将又隠しているのか……皆目検討も付かない。





「うーん……」
「Aちゃん、みーっけ！」
「え、」





突然、悶々と考えの輪廻に嵌りこんでいた私の頭上から声が降って来た。そこに居たのは六つ子のうちの1人。だが「みーっけ」の台詞から十四松の可能性が高い…？
え、まさかもう見つかったの？やっぱり十四松は覚醒していた？あわわわわどうしよう……高みの見物をしようと思っていたのに！！






「あはは！おどろいてるおどろいてる！」






………ん？待て、この笑い方……十四松じゃないな？しかもわざわざ木の上に登って人をおちょくるのは、







「……おそまつくん？」
「あ、ばれちゃった。だいせーかい！」







六つ子のうちの1人……基、おそ松は慣れたように木の上から軽々と降りてきた。その様はまるで猿のようだ。というか、この頃からやんちゃだったのか。流石長男、抜け目無い。





「おそまつくんは木の上にかくれてたんだね、きづかなかったよ」




あーくっそ、やっぱり舌が回らん。くそぅ。




「ちょーなんさまだからな！」




えっへんと胸を張るおそ松。会話が成立していないような気がするが可愛いから良しとしよう、うん。

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