私たちの日常【安室透】

第4話 ページ5

なんとか午後の授業を乗り切って、今は放課後だ

いや〜、女子って怖いよね

安室さんが私を助けるようにクラスから連れ出すのを多くの人が見ていて、
なおかつ私に絡んできた男子も一定量モテる人だったらしくて...

あの一瞬の出来事のおかげで
多くの女子に恨まれることとなってしまった


授業中は
なんか冷たい、というかおぞましい視線を感じたし。
あからさまに舌打ちもされたし。

まあ、自覚はしている
私なんかに安室さんはとてもよくしてくれる
申し訳なく感じてしまうほどに...


そんなこともあって
家が近所でほぼ毎日のように一緒に帰っている私たちだけど
それも今日ばかりは私から遠慮をしておいた

少し寂しそうな顔をされたけど、しかたがないじゃん？
私はただ、平和な高校生活を送りたいだけなのだから


そんなことを思いながら靴箱に行き
ようやく私は重大なことを思い出した

―外は現在進行形で土砂降りの大雨
そして私には折り畳み傘すらないということを―

...どうしたものだろうか。

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