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41話 ページ4

「ほら、答えが出ただろ?…って僕を見てどうする」
「A先生って本当イケメンですよね」
「話を聞け?」
僕が「先生」をやっているのが珍しいのか、本を見ずに僕の顔ばかり見る生徒に少し不思議に感じる。よく言われる「イケメン」とは容姿を褒める時に使う語らしい。僕は軽く流し時計を確認する。時刻は正午、僕は手を叩いた。
「切りがいいし今日はこの辺にしよう。気をつけて帰れよ」
「「はーい!」」
子供達を見送り、さて、と腰に手をおいて考える。病人には食べやすいものがいいだろう。そうとなれば雑炊か、僕は台所に向かった。

襖を数回叩いて入ると松陽は寝ていた。起こすことが憚られるが、風邪を引いているのなら飯は食わせた方がいい。僕は軽く揺さぶった。
「松陽、起きろ」
「ん……おはようございます」
案外すんなり起きた松陽の横に座って雑炊を見せる。
「おはよう。気分はどうだ?飯食えるか?」
「だいぶいいですよ。ご飯も食べれそうです」
そう笑った松陽は先程と比べて顔色もよい。少し安心した僕はそのまま松陽の口元にレンゲを持って行く。
「えっ?どうして『あーん』なんです?」
「銀時が風邪の人には『あーん』ってすると言っていたからだ」
「(あーんって言った可愛い)そういうことですか」
事前に教えられた情報は間違っていたのか、松陽が黒い笑みを浮かべている。回復したあと銀時は埋まるのだろう、可哀想に。
どうしたらいいのかわからない僕を見て松陽はそのまま食ってくれた。美味しいですよ、と言ってくれて僕も嬉しくなる。
「今日はゆっくり休んでくれ」
「でも夕飯を作らないといけないので」
「そのくらい僕がやるさ」
松陽はでも、と遠慮する。
「じゃあゆっくり休んで元気になったら松陽がまた飯作ってくれ。な?」
僕がそう微笑うと松陽は数秒固まった後に顔を赤らめた。
「また熱ぶり返したか?」
額に手を当てて熱を測る。若干熱いなと微笑えば手を掴まれ下に降ろされる。そして早口で言った。
「大丈夫ですから!Aもご飯食べてきたらどうですか!?」
「おう、そうする」
「はい、またあとで!」
半分追い出されたような形で廊下に立つ。僕はまた可笑しなことをしてしまったらしい。何が駄目だったのか、銀時達にこのことを話せばため息のあとに「当たり前だ」と言われた。僕が不思議に思い聞くと晋助が答える。
「お前はイケメンすぎる」
その答えに納得できない僕はさらに首を傾げた。
「よくわからない」
「だろうな」

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作者名:月光 | 作成日時:2018年8月4日 0時

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