48話 ページ13
やっと私のものになってくれた、と眠るAを腕に閉じ込めて笑う。これで堂々とAと恋人関係なのだからと独占できるし触れることもできる、愛を囁くことだってできる。これ以上嬉しいことはなかった。
本人は恋心を知らないようだったが、これから私が全部教えればいい。恋を知り愛を知ったAは博愛的な愛から独占的な愛になるのだろう。なんて素敵なんだ。そして私が直接教えることによってAの初めてをもらうことができるのだ。キスも愛撫もその先も。私だって男だ、愛しい人とあぁしたい欲くらいある。
でもゆっくり慣らさなくては。怖がられたら終わり、私は生きていけない。じっくり恋を知ってもらおう、そして意識してくれた時にこちらへ引きずり込むのだ。大丈夫、何百年も片想いし続けていたから我慢強くはあるはずだ。
優しく髪へキスをする。愛しくて堪らない。「食べてしまいたいほど愛してる」あれは比喩だと思っていたが、どうやら本当らしい。
「私の愛は重たいですよ」
呟いて喉から首筋へキスを落とした。
今までの分も全部受け取ってもらいますからね。あぁ可哀想で可愛い人、君の全てを愛していますよ。
何だかんだあって松陽と恋人関係になった翌日、僕は教室の戸を開けた。一応報告しておかなければならないのか?と僕が思ったためだ。
「皆おは『A先生!松陽先生と付き合ったって本当!?』おっおう…」
僕が言葉を吐き終わる前に子供達に囲まれる。押され気味で返事をすれば少し落胆したようにみせた。
「何故そんなに落ち込んでいる?」
「だって…格好良いA先生が松陽先生にとられちゃったんだもの!」
女子生徒がそう言えば続いて男子生徒も僕を囲む。僕の周りに銀時、晋助、小太郎以外の子供が集まり身動きが取れなかった。
「俺らの可愛いA先生が松陽先生にとられたぁ〜」
「そうです、もう私のですから手出さないでくださいね」
「勝ち誇った笑み止めてください!」
囲まれた状況に松陽も加わりそろそろ収拾がつかなくなりそうだ。やっとその時、それを見た銀時が子供達を宥めてくれる。
「テメーらA困ってんだろ、道開けてやれ」
「銀時ありがとな。助かった」
「…別に、俺は煩くて昼寝の邪魔だなって思っただけだ」
素直じゃない銀時に頭を撫でてやると照れたように僕の手を弾く。それがまた可愛らしいのだ。
「……へぇ」
「先生って以外とメンヘラ気質?」
「重そうだよな」
「そこ、聞こえてますよ」
「(めんへら…とは?)」
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作者名:月光 | 作成日時:2018年8月4日 0時