レベル分けテスト ページ8
.
昨日、リハーサルは何故か男女別で行ったため1度控え室で男子練習生たちが終わるのを待っていた。
その間に何人か話し掛けてくれて、少し仲良くなれた。
基本自分から話し掛けに行けないし、慣れるのにも時間が掛かる。
芸能界にあまり向かないだろうから、目指してるなら変えないと。
昨日の反省をしながら、4と書かれたソファ席に座り収録が始まるのを待つ。
反省したばかりなのに隣に座る西さんと後藤さんと話すことはないまま、収録とレベル分けテストが始まった。
私と花恋は女子練習生の中で最初で、そろそろ移動しようと席を立った。
「今から準備？頑張ってね」
何と、西さんが声を掛けてくれた。しかも応援してくれた。
『ありがとうございます、頑張ってきます』
多分嬉しさで堪えきれていない笑みを浮かべながら返事だけして、花恋と一緒に裏まで回った。
私たちの前は浪速のプリンスの3人で、尾崎さんが初めてAの評価を貰っていた。
努力が報われてよかったと、まだ関わったことすらない私でもそう感じてしまった。
涙を流しながら裏に捌けてくる尾崎さん…あれ、佐野さんも？
目の前には何故か持っていたハンカチを2人に渡している花恋。
誰にでも話しかけられるの凄いなあ。
私も花恋に乗っかろう…！
『あの、お疲れ様でした、ステージ素敵でした』
「えっ、あ、ありがとうございます…あの、こんな泣いててすみません」
気持ちが収まってきたのか、少し笑いながらそう言う尾崎さん。
『いやいや、今までの努力があったからこその素敵な涙だと思います』
在り来りな返答すぎたかもしれない、と不安に思い尾崎さんの方を見るとこちらに視線を向けて固まっていた。
え、やっぱり何か変なこと言った…？
「Aちゃんそろそろステージ横でスタンバイだって！」
『うん、わかった。じゃあ失礼します』
少し心残りだったけど、スタンバイはしないといけないからお辞儀をしてから小走りで移動する。
「あの、ありがとうございます！嬉しくて固まっちゃって…」
後ろから投げ掛けられた言葉に時間が無く返すことはできなかったけど、しっかり笑顔だけは向けられた気がする。
これで心残りなくレベル分けテストに挑める…よかった。
「それでは、MASKの皆さんお願いいたします」
グループ名が聞こえて、花恋と一緒に舞台中央まで進む。
さあ、今からは、私たちの時間だ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 348人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雪 - soonさん» ありがとうございます！ これからも応援しています！！ (2023年1月26日 23時) (
レス) id: 80f4887f85 (このIDを非表示/違反報告)
soon(プロフ) - 雪さん» コメントありがとうございます！そのように仰ってくださり本当に嬉しいです！お仕事前に1話でも更新できるよう頑張ります！笑 (2023年1月25日 13時) (レス) @page45 id: b8513acb6a (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 初めまして！毎日仕事前にこちらの作品を読むのが日課になっています！笑 言葉遣いや雰囲気がとても好きです！！ 主様のペースでこれからも更新していただけると嬉しいです。応援してます！ (2023年1月25日 9時) (レス) @page45 id: 80f4887f85 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：soon | 作成日時：2022年12月28日 21時
